
「結果的に追い風にはなりましたが、私たちはコロナを意識してサービスを開発・提供してはいません。“ニューノーマル”は押しつけすぎると、ただでさえ大変な世の中で、新たなストレスになってしまう。あくまでも、お客様に買い物を楽しんでもらうにはどうしたらいいか、を考えた結果なんです」
実際、慣れるまでは買い物かごに商品を入れるたびに、商品のバーコードをスキャンするのは面倒でもあるでしょう。それにもかかわらず、利用が広がっている背景には「買い物という行為自体の楽しさがあるのではないか」と山本さんは見ています。
「今、何が必要で、それをどれくらい買うのか。その結果、いくらになったか。レジゴーでは買い物中に、買い物かごに入っている商品とその値段が、リストになって表示される。それは純粋に買い物の楽しみをサポートしているとも言えます。
レジゴーを利用する際、私たちは現時点では、ポイントなどのインセンティブをつけていません。それでも利用者が増えている理由は、その方が買い物がより楽しくなるからなのだと思います」
ただし、レジゴーにも課題は残ります。記者が実際に利用して感じたのは、“レジに並ばない”“レジ待ち時間なし”をうたうものの、例えば夕食の準備で買い物客が多い時間帯には、精算機のキャパシティを超え、精算機に列ができることです。
たしかに従来の「レジ」という場所は介在しませんが、結局これでは「早く、ストレスなく」買い物を済ませることができるとは言えません。
このことについて、山本さんは「キャッシュレス会計の浸透がカギ」と説明します。現金で会計する人が多いと、精算機前でやはり時間がかかってしまうからです。
「レジゴーはキャッシュレス会計の方が7割。残り3割の方にも、現金以外の会計のメリットを訴求していきます。また、自分のスマホにアプリを導入してくださっている方には、そのままスマホ決済をしていただくことでも、精算機の待機列を解消していけると考えています」
近年、話題となった「Amazon Go」などでは、買い物客の行動をカメラやセンサーで分析し、商品のバーコードのスキャンすら不要にするシステムを成立させています。
これらに比べると、イオンリテールの「レジゴー」では精算機を設置、さらにセルフレジや有人レジを併設し、大規模店にはその広さに応じた人数の店内スタッフが常駐しています。
「店舗の規模の差もありますが、弊社はそもそも、人との関わりをなくしたいわけではありません。現在はコロナ禍で接触削減が必要ですが、お客様が実際に買い物をする場面を考えたときに、そこに人が介在しないというのは、私たちの考える理想の買い物体験ではありません」
「そこにコミュニティが形成されるような場所が、リアルで買い物をする楽しみを向上させる」と山本さん。非対面・非接触はあくまで、コロナ禍でのアピールポイントであるようです。
現在は一部、レジの“滞留”があるものの、国内最大級の流通グループであるイオンの「レジゴー」は今後、スーパーのレジのスタンダードになる可能性を秘めています。
コロナとは関係ないところで、もともとあった買い物の「楽しさ」を増やすようなサービスだったからこそ、普及の足がかりをつかんだとも言える「レジゴー」。
実際、レジゴーで買い物をすると、商品をかごに入れている最中に金額がわかるので、ムダ使いは少なくなります。そして、リスト表示により、本当に必要なものを買いそびれることも減ります。総じて買い物がスマートになりました。また、商品を自分でスキャンする作業は、慣れればそれ自体も楽しくなってきます。
逆に言えば、ただ感染対策に通じるだけで、実際に便利でないサービスがコロナ禍をきっかけに宣伝されても、普及するべくもありません。
着実に利用者を増やしている「レジゴー」からは、「ニューノーマル」のリアルが見えてきます。
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