国際オリンピック委員会(IOC)は5日、スイスのローザンヌで理事会最終日の審議を行い、柔道の1984年ロサンゼルス五輪男子無差別級金メダリストで日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕氏(62)を新委員に推薦することを決めた。来年1月の総会(ローザンヌ)で正式に決定する。

IOC委員は五輪開催都市を決める投票権を持ち、現在の日本人委員は国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長(60)のみ。東京五輪招致疑惑を受けてJOC前会長の竹田恒和氏が3月に辞任し、IOCのバッハ会長は「できるだけ早く日本から委員が出ればいい」と言及していた。東京五輪を前にIOCとのパイプ強化のため、日本人2人目の委員待望論も出ていた。

日本人初のIOC委員は講道館柔道の創始者で大日本体育協会(現日本スポーツ協会)を創設した嘉納治五郎氏で、日本柔道界からの起用が実現すれば、約1世紀ぶりとなる。(共同)