ローランド・ヒューズ、ホリー・ホンデリック、BBCニュース
米大統領選の民主党候補者選びは3日、山場の一つとなる「スーパー・チューズデー」を迎える。
スーパー・チューズデーでは、14州で一斉に予備選が開催される。この日の結果が、共和党候補の座を確実にしているドナルド・トランプ大統領と11月の本選で対決する民主党候補の選出に、大きく影響する。
翌4日には、最終的に誰が民主党候補になるか、今よりも展望が見えているかもしれない。
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サンダース氏がリード
アメリカ各地の民主党支持者は今年に入り、党員集会(参加者同士で話し合ったりした後、公開で投票する)や予備選(秘密投票)で、支持する候補者を選んで着た。
これまでリードしているのは、バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州)。これはいささか意外な状態だ。2016年大統領選の民主党予備選では最後まで競ったものの、最終的にヒラリー・クリントン氏に敗れた。しかし、いわゆる典型的な民主党議員ではまったくない(それどころか上院議員としては、無所属だ)。
強硬な左派のサンダース氏が民主党候補になった場合、党内穏健派の支持を得るのに苦労するかもしれない。現在78歳で、昨秋には心臓発作に見舞われた。
しかし予備選では、幅広い世代や人種から熱心な支持を集めていて、最も勢いがある候補だ。
また、穏健派の候補たちが票を奪い合ってきたことも、サンダース氏の浮上につながっている。
左派候補はサンダース氏だけでなく、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)もいる。しかし、なかなか支持基盤を広げられずにいる。
バイデン氏が挽回
序盤ではサンダー氏と対照的に、中道派のジョー・バイデン前副大統領が苦戦していたが、2月29日にサウスカロライナ州の予備選で圧勝。形勢が一気に変わった。
初戦のアイオワ州やニューハンプシャー州で善戦して台風の目となっていたピート・ブタジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長は、勢いを持続させられず、サウスカロライナでの結果を受けて1日、選挙戦からの離脱を表明した。これによって、ブタジェッジ氏の支持者がバイデン氏支持に回る可能性がある。
エイミー・クロブシャー上院議員(ミネソタ州)も2日、選挙戦からの撤退とバイデン氏への支持を表明した。
民主党議員や重鎮の多くも、バイデン氏支持を表明し始めており、バイデン氏が民主党候補になる可能性はこの数日で一気に高くなった。
ただし、候補者選びには不確実要素も多く、正直なところ勝者を占うのは難しい。
スーパー・チューズデーはなぜ重要?
すべては、代議員をどれだけ獲得できるにかかっている。代議員とは7月の民主党全国党大会で、各州の党員の代わりに党の候補を投票で選ぶ役割の人たちだ。
各候補は各州の予備選や党員集会で、得票に応じて代議員が割り当てられる。
今年の民主党代議員の総数は4750人。そのうち3979人が州ごとに割り当てられており、州の予備選の結果に沿って、党大会で投票しなくてはならない。3979人のうち1991人を獲得した候補が、指名獲得を確実にする。
(党大会の最初の投票でその人数を得る候補がいなければ、党幹部などがなるいわゆる「スーパー代議員」が投票に参加する)
つまり、各州の予備選や党員集会で最も多い代議員を獲得した人が、党の候補に指名される仕組みで、だからこそ民主党支持者の約3割が14州で一気に投票する「スーパー・チューズデー」が注目されるのだ。
これまで4州の予備選・党員集会で配分がすでに決まった代議員は、まだ155人のみ。これに対してスーパー・チューズデーでは、実に1357人もの代議員の配分先が決まる。
なかでも代議員の人数が多いのは、人口の多いカリフォルニア州とテキサス州だ。カリフォルニア州は今回初めて、スーパー・チューズデーに参加する。
14州それぞれの見通し
では、各州の情勢とちょっとした雑情報を、小さい州から大きい州の順で紹介していこう。
<ヴァーモント州> 代議員16人
誰が勝つ? 間違いなくサンダース氏だ。同州選出の上院議員なのだから
誰が善戦? サンダース氏の他は誰も、代議員獲得に必要な得票率15%を超えないかもしれない。この州でのサンダース氏の人気は絶大で、2016年大統領選では86%の票を獲得した(最終的にはヒラリー・クリントン氏に敗れて党候補者にはなれなかったが)
背景を知る 地元公共ラジオ局の2月の世論調査では、ほぼ3分の1が経済、仕事、生活費が主要な問題だと回答した。ただ、ヴァーモント州の失業率は2.3%で全米最低レベルだ
州の鳥は? チャイロコツグミ
<メイン州> 代議員24人
誰が勝つ? 世論調査によるとサンダース氏だ。2016年大統領選では、この州でクリントン氏の2倍以上の代議員を獲得した
誰が善戦? サンダース氏にとっては2016年より対戦相手が多いので、前回のような大差はつかないだろう。ただし、大富豪のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長もバイデン氏も、世論調査ではサンダース氏に大きく引き離されている
背景を知る スーパー・チューズデーで同州が投票するのは、民主党候補だけではない。ワクチン接種を信仰・信条の理由で拒否できないようにする法律を、阻止するかどうかについても、投票する
州の動物は? ヘラジカ
<ユタ州> 代議員29人
誰が勝つ? ヒント。名前の文字を並び替えるとDesire Bannersになる候補だ。サンダース氏は2016年もここで大勝した
誰が善戦? サンダース氏と肩を並べる候補は見当たらない。最新の世論調査ではブルームバーグ氏が大きく引き離されて2位、撤退前のブタジェッジ氏が3位につけていた。ブルームバーグ氏はブタジェッジ票を獲得してサンダース氏との差をつめられるか?
背景を知る ユタ州での勝者が党候補者になったのは1964年のリンドン・B・ジョンソン元大統領が最後なので、もしサンダース氏がここで勝ってそのまま党候補になれば、歴史を作ることになる
州の宝石は? トパーズ
<アーカンソー州> 代議員31人
誰が勝つ? アーカンソー州にあるヘンドリックス大学の最近の世論調査によると、スーパー・チューズデーに参加する各州に集中的に注力したブルームバーグ氏の戦略が、この州では功を奏するかもしれない
誰が善戦? バイデン氏とサンダース氏か。ただ接戦になるだろう。世論調査から選挙結果を予測する有名サイト「ファイブ・サーティ・エイト」はバイデン氏有利としているが、票は均等に割れるかもしれない
背景を知る ここで誰が勝っても、あまり関係ないかもしれない。アーカンソー州で勝った人が最終的に党候補になったのは、過去40年間で2回だけだ(その2回は州知事を務めたビル・クリントン氏)
州の恐竜は? アルカンサウルス
<オクラホマ州> 代議員37人
誰が勝つ? 予測困難だ。ぎりぎりバイデン氏かもしれない
誰が善戦? 州内の世論調査団体の先週の調査では、ブルームバーグ氏とサンダース氏
背景を知る 石油や天然ガス開発の水圧破砕(フラッキング)が大きな問題の1つで、サンダース氏とウォーレン上院議員(オクラホマシティ出身)が禁止を提案している。フラッキングの廃水の地下処理が、この地域で地震の増加につながっている
州の飲料は? 牛乳
<アラバマ州> 代議員52人
誰が勝つ? バイデン氏が安定して勝つだろう。州の多くの民主党重鎮から支持を得ており、アフリカ系アメリカ人にも人気が高い
誰が善戦? 世論調査ではバイデン氏のリードはかなり大きいが、ブルームバーグ氏とサンダース氏が挑むことになりそうだ
背景を知る ここでは共和党員も11月の上院選挙の候補を決める投票をする。共和党は民主党が上院を奪還しないよう、アラバマの民主党現職の議席を奪おうとしている。共和党候補になる見通しが高いのは今のところ、トランプ政権の前司法長官ジェフ・セッションズ氏
州の両生類は? レッドヒルサンショウウオ
<テネシー州> 代議員64人
誰が勝つ? 接戦だ。予測サイト「ファイブ・サーティ・エイト」は、ここ数日でバイデン氏の勝機がぐっと増したとしている
誰が善戦? この州では世論調査がほとんど実施されていないが、2016年にクリントン氏に大差をつけられて2位だったサンダース氏かもしれない
背景を知る 投票率が全米で最低レベル。前回大統領選では、登録有権者の50%をわずかに超えただけで、全国平均より10ポイントほど低い
州の野生動物は? アライグマ
<コロラド州> 代議員67人
誰が勝つ? 予測サイト「ファイブ・サーティ・エイト」は、8分の7の確率でサンダース氏が勝つとしている
誰が善戦? 同サイトは、バイデン氏が大差で2位になり、そのすぐ後をウォーレン氏が追うと予測している
背景を知る かつては共和党の牙城だったが、他州からの転入者や人口の増加により、民主党が勢力を伸ばしている。選挙予測サイト「サバトの水晶の玉」は、秋の上院選での同州の見通しを与野党「伯仲」ではなく「民主寄り」に変更した。
州のサボテンは? クラレットカップサボテン
<ミネソタ州> 代議員75人
誰が勝つ? 同州の上院議員クロブシャー上院議員が勝つはずだったが、2日に選挙戦から撤退。同氏はバイデン氏への支持を表明したので、バイデン氏か
誰が善戦? クロブシャー氏のすぐ後にはサンダース氏が迫っていたので、サンダース氏がそこそこの代議員を獲得する模様だ
背景を知る トランプ大統領による米中貿易戦争の影響が大きい地域。それが大統領選で民主党の支持拡大につながるか?
州のマッシュルームは? モレルマッシュルーム
<マサチューセッツ州> 代議員91人
誰が勝つ? サンダース氏かもしれない。ただ接戦になるだろう
誰が善戦? 州選出のウォーレン上院議員。もし彼女が善戦できなければ恥ずかしい思いをするだろう。ブタジェッジ氏の離脱はウォーレン氏に有利に働くかもしれない
背景を知る 党候補者争いに残っている候補のなんと40%(つまり2人)はマサチューセッツ州の住民。ウォーレン氏とブルームバーグ氏だ。ブルームバーグ氏は地元ベッドフォード市で俳優マイケル・ダグラス氏の応援を受けているが、ここで特に健闘するとはみられていない
州の魚は? タラ
<ヴァージニア州> 代議員99人
誰が勝つ? かなり興味深い戦いになるだろう。サンダース、ブルームバーグ、バイデンの3氏でかなり均等に票を分け合う可能性がある
誰が善戦? 上記参照
背景を知る 首都ワシントン郊外の結果に注目すべき。その票が11月の大統領選本選を左右するとみられるからだ(2018年の中間選挙がそうだった)。全国的に人気のサンダース氏がどれだけ好成績を残すか? 郊外の住民たちは彼に好意的か?
州の犬は? アメリカン・フォックスハウンド
<ノースカロライナ州> 代議員110人
誰が勝つ? お隣のヴァージニア州とかなり似ていて、注目に値する。サンダース氏とバイデン氏の接戦だろう
誰が善戦? ブルームバーグ氏は一時期、世論調査で高い支持率を示したが、その後少し下がっている
背景を知る この州も11月の本選の主戦場となる。ヴァージニア州と同じく、郊外の票がどうなるかが非常に大事だ。本選ではこの州が共和、民主のどちらに行くかが、全体を決めるかもしれない
州の果物は? スカパーノングぶどう
<テキサス州> 代議員228人
誰が勝つ? サンダース氏とバイデン氏の大接戦だ。どちらにしても、おそらくサンダース氏が多くの代議員を獲得することになり、全体として大きくリードする結果となるかもしれない
誰が善戦? バイデン氏も良い結果を出すはずだ。ほとんどの世論調査では、ウォーレン氏が3位か4位
背景を知る 今や200万人近いこの州のヒスパニック票、いわゆる「眠れる巨人」が、どうやら目を覚まそうとしている。そう思うだけの根拠はある。ヒスパニックの登録有権者の投票率は、2014年の中間選挙では24.4%だったが、2018年には46.9%に跳ね上がっている
州の甲殻類は? テキサス湾エビ
<カリフォルニア州> 代議員415人
誰が勝つ? もしも予測サイト「ファイブ・サーティ・エイト」の予測どおり、サンダース氏が9分の8の確率で勝つならば、党の候補指名獲得は確実だといえるかもしれない。サンダース氏はアフリカ系アメリカ人、ラティーノ、アジア系アメリカ人に支持されている様子で、彼の言う「多様な人種連合」が成功している
誰が善戦? 現時点ではバイデン氏が大差の2位につけるとみられる
背景を知る カリフォルニア州にとっては初のスーパー・チューズデーだ。以前は6月に予備選を行っていたが、同州の影響力を高めようと、州議会が早める決定をした。全米で最も人口の多い同州は、全代議員の約3割を抱える。その振り分けが、スーパー・チューズデーで決まる
州のモットーは? 見つけた!(Eureka!)
※14州に加え、アメリカ領サモア(代議員6人)、海外の民主党員(同13人)もスーパー・チューズデーで投票する。
(英語記事 Why this is the biggest day of the US election yet)
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March 03, 2020 at 06:43PM
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【米大統領選2020】 スーパー・チューズデーはなぜ大事? 14州の情勢は? - BBCニュース
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