郷土教育コーナーを設置 揖斐川町・谷汲小
NIE実践校の谷汲小学校(揖斐郡揖斐川町谷汲名礼)は、各教科の学習と新聞を絡めた取り組みを全学年で進める。またサロン風の「NIEコーナー」を設置し、谷汲地区ゆかりの人物を紹介した記事を掲示するなど郷土教育に取り入れ、新聞を話題に意見を交わす力を伸ばしている。
同校は実践2年目の本年度、「1~6年生それぞれの実態に応じてできる新聞を使った取り組みを探る」を重点テーマに据えた。これまでは、1、2年生はまだ読めない漢字が多いことなどから、教員から「新聞の活用法が分からず難しい」との意見があったという。そこで、NIEコーディネーターの外部講師から助言を受け、五感を使った創作、音読活動、図工や国語科のカリキュラムと合わせて、児童が意欲的に取り組めるNIE学習を試みた。
1年生はまず、子ども向け記事で新聞の見出しの効果について、驚きや発見、お気に入りポイントを短い言葉で書き足すことで、仲間に分かりやすく伝わることを学んだ。その後、生活科で育てた野菜や植物を観察して描いた絵、図工科で粘土をつなぎ合わせて作った立体に、見出し付きの紹介文を書けるようになった。
2年生は国語科で、かえるくんが友達のがまくんに手紙を書く物語「お手紙」の授業を通じ、気持ちを表現するのにふさわしい言葉などについて学習。授業後、児童らが気に入った新聞記事を選び、隣の席の仲間に手紙を書く活動をした。
山本俊希君(8)は、高山市のおっぱら自然体験センターであった飛騨地方初となる熱気球の夜間搭乗体験会の記事を選んだ。「特に伝えたいと思った」という、ガスバーナーの炎による上昇や上空20メートルの飛行の様子について書き出し、「どんな景色が見えるかな。一緒に乗れたらいいね」と、相手がわくわくするような表現を意識して手紙を書いた。
また同校では昨年度から、「日常的に新聞に触れる機会を」と、廊下の一角に机と椅子を置き、新聞を広げた「NIEコーナー」を設けている。コーナー横の壁には地域ゆかりの人、行事の記事を掲示し、ふるさと学習につなげた。
休み時間などに新聞を読む児童らは、「給食に出たシカ肉ソーセージのことが載ってる」と農業被害対策について話したり、コロナ禍で閑散とする谷汲山華厳寺参道の記事を読んで「どうしたら参拝するお客さんが増えるか」と、考えたりしている。
NIE担当の坪井克弘教諭は「全ての児童が教科指導の中で新聞に親しむことができた。今後も地元のニュースや社会の動きに関心を持つ機会をつくれたら」と話した。
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