2021年10月23日 13:37 1050
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綿矢りさの同名小説を映画化した本作では、優等生で人気者の木村愛を主人公に、高校生3人の愛憎入り交じるいびつな三角関係が描かれる。山田が愛を演じ、彼女が思いを寄せる謎めいた男子高校生・西村たとえに作間、糖尿病を抱える陰気な少女でたとえの秘密の恋人・新藤美雪に芋生が扮した。
美雪の存在を知り、変貌していく愛の姿がつづられる本作。山田は「美雪のことを知ってからたとえに対する感情が美雪にも向かっていく。乱反射というか、いろんな方向にちらばっていくような。それが愛に返ってくる。なかなか彼女を理解できない部分もあって苦しかったんですが、愛のパワーみたいなものはすごく面白いなと思ってお芝居していました」と語る。作間は「僕自身第一印象はたとえくんみたいにクールで、寡黙な人間に見られることがあるんですが、しゃべってみると『ぶっ飛んでるね!』って言っていただくことが多いんです(笑)。中身の作間は封印して、佇まいだけの作間で挑みました。感じるままにやってみる場面が多かったですね」と振り返る。そんな作間について首藤は「所在なさげに長い手足を持て余す感じでいつも立っていて。本当にたとえくんでした」とたたえた。
愛と美雪という正反対の女性に思いを寄せられるたとえ。作間は「大変ですよね。2人と接するときのたとえはそれぞれ全然違う人」と述べてから、たとえが愛に辛辣な言葉を並べることに触れ「なかなか苦しかったですね。けっこうエグい言葉をずらずら言うので。そこは作間自身も苦しみながらやっていました」と回想する。首藤が「辛辣なこと言うシーンだけ作間くんが『こういうふうに変えていいですか?』って言ってきたんです。脚本を書いている段階ではもっと突き放すイメージだったんですけど、作間くんが提案してくれてたとえのちょっと優しい部分が出せました」と述懐。作間は「苦しくて、言っている僕自身も泣きそうになったんで。さすがにちょっと変えてみてもいいですか?って提案しました」と打ち明けた。
「美雪を演じられるか不安があった」と明かすのはオーディションで美雪役を射止めた芋生。彼女が「監督の期待に応えられたらなと思っていました」と語ると、首藤は「美雪はお母さんみたいでしたね。愛だけだとピリピリしちゃうので」と、作間も「優しい雰囲気を現場にばら撒きまくってました! 本当に助かってましたね」と感謝を伝えた。
最後に芋生は「自分のことが好きになれなくて迷っている人たちに観てもらって、自分のことを肯定してもらいたい」と、作間は「関係したすべての人に感謝を伝えたいです。この作品はいろいろなものをもらえる、人生が1つ豊かになる映画。たくさんの方に楽しんでもらいたいです」と真摯に呼びかける。山田は「けっこうエゴサしてるんです(笑)。こんなに多くの人に届いちゃっているのが怖い部分もあるんですが、1人ひとりの人にどうでしたか?って聞いて回りたい。いろんなところでそれぞれの感想が生まれるのが楽しみです」と言い、首藤は「原作を読んだときに出会った3人に、こうしてまた出会い直すことができて本当によかったです。作品を観ていろんな思いを持っていただけたら幸いです」と思いを伝えた。
「ひらいて」は全国で公開中。
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(c)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
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