関西に地盤を置く食品スーパー、関西スーパーマーケットが10月29日に臨時株主総会を開く。8月末にエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)が発表した子会社化の賛否を問う。関西スーパーに対しては、首都圏を地盤とする食品スーパーのオーケー(横浜市)がTOB(株式公開買い付け)を提案している。関西スーパー争奪戦の節目を前に、押さえておきたい10のポイントをまとめた。
大阪市内の関西スーパーマーケットの店舗(写真:共同通信)
1:臨時株主総会で何を決めるの?
2:どのような経営統合を予定しているの?
3:オーケーはどんな提案をしているの?
4:どのような経緯で争奪戦になったの?
5:H2Oが関西スーパーを子会社にする理由は?
6:株主はどんな反応をしているの?
7:オーケーは関西スーパーの株主にどう働きかけたの?
8:関西スーパーはどのように反論しているの?
9:議案が可決されたらどうなるの?
10:議案が否決されたらどうなるの?
1:臨時株主総会で何を決めるの?
関西スーパーは10月29日の午前10時から臨時株主総会を開く。第1号議案は「当社とイズミヤ株式会社及び株式会社阪急オアシスとの株式交換契約承認の件」。8月31日に関西スーパーが発表した、H2O傘下のスーパー2社との経営統合について賛否を問う。会社法の規定により、議案の可決には出席株主の議決権のうち、3分の2以上の賛成が必要になる。
経営統合議案の可決を条件とする取締役選任の議案も諮っている。議案が可決されれば、H2O副社長の林克弘氏やイズミヤ社長の梅本友之氏、阪急オアシス社長の永田靖人氏らが新任の取締役として就任する。
2:どのような経営統合を予定しているの?
H2Oの100%子会社であるイズミヤおよび阪急オアシスとの株式交換により、関西スーパーをH2Oの子会社にする計画だ。関西スーパーは8月31日にH2O、イズミヤ、阪急オアシスとの間で経営統合契約を締結している。
H2Oは現在、関西スーパー株を議決権ベースで10.66%保有する筆頭株主。イズミヤと阪急オアシスの株式全てを関西スーパーに渡す代わりに、関西スーパーの株式をH2Oに割り当ててH2Oの保有割合を58%に引き上げる。関西スーパーはスーパー事業を引き継ぐ新会社を設立し、この新会社とイズミヤ、阪急オアシスの3社を傘下に収める中間持ち株会社となる計画だ。上場は維持される予定だ。
関西スーパーの福谷耕治社長は8月31日の会見で「当社が培ってきたコンセプトを維持しながらH2Oの『関西ドミナント戦略』の要になる」と述べた。
3:オーケーはどんな提案をしているの?
オーケーは関西スーパーの株式を1株当たり2250円で購入するTOB(株式公開買い付け)によって関西スーパーを完全子会社にすることを提案している。2250円は関西スーパーの上場来高値(1992年2月10日)と同じであり、2021年6月8日の終値比で2.25倍となる。オーケーは21年3月時点で関西スーパー株の7.69%を保有していた。
首都圏を地盤とするオーケーは、経営方針に「高品質・エブリデーロープライス(EDLP)」を掲げ、安値販売を強みとする。関西エリアを商圏とする関西スーパーにEDLP戦略を持ち込んで価格や品ぞろえを見直し、店舗改装などを進めると提案している。両社の共同仕入れによって調達力を高める効果も見込んでいる。
オーケーは関西スーパーの1坪当たりの年間売上高を数年内に現状から3割増やせると主張している。完全子会社にした後も関西スーパーの屋号を維持する方針だ。
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