フィリピンに先週、猛烈な勢いの台風22号が上陸し、これまでに少なくとも208人の死亡が確認されている。現地メディアが警察の話として報じた。
上陸したスーパー台風「ライ」は、風速が時速195キロに達した。フィリピン南東部の島々を16日に直撃し、約30万人が避難した。
現地警察によると、少なくとも239人がけがを負い、52人が行方不明になっている。
救助隊は被災現場の様子を「完全に大虐殺だ」と表現した。
多くの地域で連絡手段が奪われており、被害の全容把握が困難になっている。
各地で地滑りや洪水が発生したため、全体の死者数はさらに膨れ上がる恐れがある。
「爆撃よりひどい」被害
フィリピン赤十字社のリチャード・ゴードン会長は、「多くの地域で電気や通信手段がなく、水もわずかしなかない」とBBCに話した。
「第2次世界大戦の時よりひどい爆撃を受けたような地域もある」
国際赤十字・赤新月社連盟は、緊急アピールを開始した。長期的支援の資金として2000万スイスフラン(約25億円)を集めることを目標としている。
ゴードン氏は、「赤十字社の緊急チームは沿岸部について、完全に大虐殺のような状況だと報告している」、「家、病院、学校、地域の建物がずたずたにされた」。
同氏はまた、ボランティアたちが被災地に入り、「すべてを失った人々」を支援していると述べた。
被害が最も大きかった地域には、軍、海岸警備隊、消防から数千人規模の人員が派遣され、捜索・救助活動に協力している。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、被災地域を上空から視察した。
大統領補佐官らがソーシャルメディアに投稿した動画からは、シャルガオ、ディナガット、ミンダナオの各島が大きな被害を受けている様子が見て取れる。
ディナガット・アイランズ州のアーリーン・バガオ知事は、台風によって一帯が「真っ平になった」とフェイスブックに投稿した。
ニュースサイト「ラップラー」によると、同知事は「農家の畑や漁師の小船が破滅的な被害を受けた」とフェイスブックに書いた。「私たちは家を失った。壁や屋根は裂け、吹き飛んだ。(中略)食料と水の供給も減っている」。
フィリピンでは2013年、超大型の台風ヨランダ(30号、ハイエン)が上陸し、6000人以上が死亡した。同国の台風被害としては最悪となった。
バガオ知事は、今回の台風は当時を思い起こさせるものだと語った。
フィリピンは毎年、平均約20の嵐や台風の直撃を受ける。
今回の台風ライは、今年最大の勢いをもつ。台風は7~10月に発生することが多く、時期的には遅めのものとなった。
科学者らは以前から、人類の営みによって生じた気候変動が地球温暖化を引き起こし、台風の急速な大型化の原因になっていると警告している。
からの記事と詳細 ( フィリピンに「スーパー台風」 死者200人を超える - BBCニュース )
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