3日から始まったNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」は大阪や長崎を舞台に、ヒロイン・岩倉舞が空を飛ぶ夢を追い、大学や航空学校で出会う仲間とともに成長していく物語。舞を演じる福原遥は、かつて朝ドラに背中を押された自分を振り返り、「朝ドラのヒロインになりたくて、頑張ってきました」と語った。
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オーディションで2545人の中から選ばれたと聞いたときのことを、「実感はわかないのに、涙が出ていた」と振り返る。
「朝ドラ」のヒロインは、10年間追い続けた夢だったという。
小学生の頃から子役として活動し、子供向け料理番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(Eテレ、平成21~25年)では主役の柊(ひいらぎ)まいんを務めた。子供だけでなく、その親たちからも「まいんちゃん」の名で親しまれた一方、仕事や学校のことで悩むようにもなった。
そんなとき、激動の昭和を生きた女性を描いた朝ドラ「おひさま」(平成23年度上半期)と出会った。さまざまな困難を前に、ヒロイン(井上真央)が前向きに生きる姿に「自分の捉え方ひとつで、こんなにも人生を変えられるんだ」と感じて以来、ある思いを抱いていた。
「いつか自分も、見ている人の背中を押せる朝ドラのヒロインになりたくて、頑張ってきました」
演じるヒロイン、岩倉舞は空を飛ぶ夢を追う。朝ドラのヒロインには珍しく、子供の頃は引っ込み思案で自分に自信が持てない。周りに意見を伝えられない姿は「私とかぶるところがある」と笑う。
だからこそ、舞の心の内が読み取れる。いつも周囲の目を意識し、頑張るとすぐ熱を出してしまうが、その内側には「強い人になりたいという気持ちが、きっと誰よりもある」。
どことなく自分自身と重なる舞だけに、さまざまな人との出会いを通し、少しずつ成長していく過程を細かく表現したいという思いが募っている。
舞の父、浩太(高橋克典)はものづくりの町として知られる大阪府東大阪市にあるねじ工場の2代目社長。撮影に入る前、自身が実際にねじ工場を訪れて目にした職人の手は油が染みついていて、「ずっと働いていらした方の、すごくすてきな手」だった。
母・めぐみ(永作博美)の故郷で物語の舞台の一つ、長崎県の五島列島も訪れた。「自然がいっぱいで、島の人たちには五島の空気と一緒に生きてこられたんだなと感じる温かさがあった」
自分が演じない幼少期の台本を読み込み、撮影現場にも足を運んだ。舞を支える人々が生きる実際の情景に触れたからこそ、少しずつでも前に進んで「すごく頼もしくて、かっこいい女性」になっていくという舞を演じきりたい。
「舞ちゃんに勇気をもらって、一緒に成長しているような不思議な感覚で演じています」とふわりとした笑顔を見せながら語るととともに、こう話した。「見ている人の背中をそっと優しく押してくれると思います」
向かい風を受けてこそ
「舞いあがれ!」のコンセプトについて、制作統括の熊野律時(のりとき)チーフプロデューサー(CP)は「向かい風を受けてこそ高く飛べる」と語る。「空」には困難の中にあっても上を見るという前向きなイメージを重ねている。
舞は先頭に立って歩き、周りを引っ張るタイプではない。熊野CPによると、「出会った人がそれぞれに持つ力、抱えている生きづらさと向き合い、手を携えて少しずつ前に進んでいくヒロイン」を描き出すという。
撮影現場の様子を、熊野CPは「皆の真ん中に福原さんがいて、そこに日だまりができる。皆に自然と、ヒロインを支えたいという気持ちが湧いてくる」と表現。穏やかで柔らかい雰囲気が「映像にも表れている」と明かした。(藤井沙織)
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