この冬、スポーツ界で大きな話題となったのがナイキ社の超厚底ランニングシューズだった。冬の風物詩、箱根駅伝では、「ヴェイパー」を着用していたランナーが85パーセントになるほど、陸上長距離界を席巻。それまでの"薄底神話"を覆し、厚底シューズがマラソンランナーのマストアイテムとなっている。シューズは42.195キロを走破するマラソンランナーにとって最も大切なアイテムであるが、「走る」だけでなくボールを「蹴る」「止める」「運ぶ」といった動作を要するサッカーも、マラソンランナー以上にこだわりが求められるアイテムと言えるだろう。
セリエAでは、90年代、様々なメーカーのスパイクが入り乱れ、"群雄割拠"の様相を呈していたが、2020年の今は、激しい競争の末に生き残った数社に限られることとなった。かつては、ジャパンプランドのアシックスやミズノのスパイクを愛用している選手も数多く、インテル時代のアンドレア・ピルロもアシックスのスパイクを履いていた一人だった。イタリア・ブランドも、セリエAではすっかり影が薄くなってしまったが、ラツィオのイタリア人FWマヌエル・ラッザリはロットを着用している。以前はレースレスモデルを履いていたが、現在は「Solista 200 III」を使用中。この冬にアタランタからジェノアに移籍したアンドレア・マジエッロもロットでプレーする選手の一人だ。
イタリアといえば、ミランのレジェンド、パオロ・マルディーニが最初に購入したスパイク、ヴァル・スポルトや中田英寿がイタリア上陸とともに契約したフィラなどもあったが、今ではサッカーから撤退している。ロベルト・バッジョやフランチェスコ・トッティが愛用したディアドラも、トッププレーヤーで履いている選手は見られなくなってしまったのは残念でならない。
そのほか、少数派は、アンブロ、アンダーアーマー、ニューバランスといったメーカーも見られるが、着用するプレーヤーは非常に限られている。セリエAも多くのリーグと同様に、ビッグ3がシェアの多くを占める。まずは、プーマだが、3位の約6パーセント。ドイツの人気ブランドを着用する代表的な選手は、インテルのベルギー代表の巨漢FWロメル・ルカク。ルカクが履く、「Future 4.1 Netfit」はヒョウを彷彿とさせるイエローを主体としたデザインでルカクにとても映える。
ユヴェントスのジャンルイジ・ブッフォン、ジョルジョ・キエッリーニ、ブレッシャのマリオ・バロテッリといったイタリア人選手もプーマ・シンパだ。そして今冬にミランに復帰した元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモヴィッチもチームウェアでもあるプーマのスパイクを着用している。
35パーセント前後で2番目のシェアを占拠するのはアディダス。同社の名品「コパ・ムンディアル」は、カンガルーレザーを使用したサッカー界のスパイクにおける最高傑作だった。1994年には、革新的モデル「プレデター」が誕生。キック時の威力アップを狙ったアッパーに搭載されたフィン形状の大型ラバーは、それまでの常識を覆し大きな話題となった。これ以降、各社がしのぎを削って、斬新な機能的スパイクを生産するようになった先駆けと言えるだろう。その後継モデルを装備するのが、ユヴェントスの司令塔ミラレム・ピアニッチ。ブーツタイプで無数の棘のような表面を持つ。FKの名手と言われるピアニッチにとって、さらに高いコントロールを可能とさせるツールだ。
アディダスで「プレデター」以上の人気があるのは「X 19.1」。ユヴェントスのマタイス・デ・リフト、ラツィオのルイス・アルベルトやホアキン・コレアもこのモデルを選択している。そのラツィオで、得点王争いの首位に立つチーロ・インモービレは、「Nemeziz 19.1」を履いてゴールを量産中だ。そして、ユヴェントスのパウロ・ディバラは、レースレスの「COPA 19+」を愛用して、プレーしている。
トップシェアを誇るのは世界ナンバーワンスポーツブランドに君臨するナイキ。実にセリエAで約55パーセントのシェア率を誇る。ナイキと言えば、やはり、世界最高の選手の一人であるユヴェントスのクリスティアーノ・ロナウドが思い浮かべられる。「Mercurial Superfly VII Elite Dream Speed 2」を履いているが、注目が集まるのはナイキとの契約。2016年から10年を更新し、その額は1億2600万ユーロにも及ぶ巨額契約だ。インスタグラムで史上初の2億人超えのフォロワーを持つほど、影響力は絶大。スーパースターが使用するギアには、全世界のファンが注視し、同じモデルを欲することだろう。
「Mercurial」シリーズが、全ブランドの中で120人前後の選手が身に纏う最も愛されるモデルとなっている。ナイキのモデルでは、「Phantom VNM」や「Phantom VSN」も挙げられるが、名作「Tiempo」を忘れてはならない。かつてのナイキのフラッグシップモデルで、今はナポリのファビアン・ルイスが着用している。
90年代までは天然皮革がほとんどだったスパイクだが、人工皮革が主役となった。これからも、技術革新は続き、驚くようなモデルが生まれるはずだ。マラソンシューズのようにソールに画期的なアイデアが施されたモデルが今後誕生することもあるかもしれない。
文=佐藤徳和/Norikazu SATO
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April 01, 2020 at 10:10AM
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