石川県内でドラッグストアによる食品スーパー跡地の陣取り合戦が過熱している。金沢市でクスリのアオキ（白山市）、野々市市でウエルシア薬局（東京）が出店を計画し、建物をそのまま活用する「居抜き」で入る。スギ薬局（愛知県大府市）もスーパー跡地で新店を計画。主要な商圏は飽和状態との声も聞かれる中、ドラッグストアの競争はスーパーを巻き込んで、さらに激化しそうだ。
クスリのアオキは、金沢市西念３丁目の食品スーパー「ニュー三久」（同市）の店舗跡地で新店を計画している。店舗内の改修を進めており、７月にも開業する。クスリのアオキの担当者は「金沢で新たに建設用地を探すのは難しく、既にある施設を使えるのは効率がいい」と話した。
県内で出店を加速させているスギ薬局も、３月に閉店した「どんたく西金沢店」（金沢市西金沢３丁目）の跡地で出店を計画中だ。ウエルシア薬局は、昨年５月に閉店したバロー野々市店（野々市市横宮町）の店舗で改装を進めており、８月の開業を予定している。
スギ薬局は出店の際、店舗を新しく建てることが多いが、店舗の規模が合えば、建物をそのまま活用するケースもある。担当者は「地域に親しまれていたスーパーの客を取り込むことができる」と利点を説明した。
石川県内では、ドラッグストアやスーパーの再編が進んでいる。
クスリのアオキは今月、スーパーを展開するナルックス（金沢市）を子会社化すると発表した。クスリのアオキは、全５店舗を改装してドラッグストアに転換する方針を立てており、スーパーの専売特許だった鮮魚などの生鮮食品を強化し、客の取り込みを図る。
一方のスーパー側では、マルエー（白山市）とニュー三久が３月に経営統合した。ドラッグストアに対抗するためで、仕入れや物流の共同化で経営効率を高める狙いだ。
金沢市などでは顧客を取り込むため、同業者の近くに進出して接近戦を繰り広げるケースもある。
ウエルシア薬局の担当者は「スーパーは幹線道路や住宅街にあることが多く、立地として魅力的だ。いい場所があれば積極的に出店したい」と話す。各社の陣取り合戦が過熱する中、今後も既存の施設を活用した出店が続きそうだ。
北國新聞社
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June 23, 2020 at 11:03PM
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