今年も、来年のクラシックに向けての2歳新馬戦が、ダービーの翌週から始まっている。阪神、東京で3週、函館での2週が終わった6月21日時点で18頭の勝ち馬が出て、内訳は牡が8頭、牝が10頭。幼稚園から小学校低学年の時期に女子が優勢なのは人間社会と同じで、負担重量に1kgの差がつけられるのは10月の声を聞いてからになる。
この時期は例年、覇王ノーザンファームの生産馬が育成技術の高さを見せつけるようにいきなり勝ちまくるのだが、今年はまだ5頭の勝ち上がり。期待の新種牡馬モーリスの産駒がことごとく不発に終わったのが響いている。とはいえ、ブエナビスタの子、ブエナベントゥーラはすぐに勝ち上がれる内容だったし、この先にもシーザリオ、シンハライトなどの期待の産駒が控えている。初年度265頭の種付けで、滑るわけにはいかない。
もう1頭の期待の新種牡馬ドゥラメンテは、モーリスを超える284頭の種付け。アスコルターレ(牡、母アスコルティ、栗東・西村真幸厩舎)が上々の内容で勝ち上がってホッと一息ついたが、求められているものはもっともっと高いところにある。
フランケル産駒モンファボリの快走。
一方、早くも2頭ずつの勝ち上がりを果たしたのは、ディープインパクト、キズナ、スクリーンヒーロー、カレンブラックヒル、ダイワメジャー、マツリダゴッホ、フランケルの7種牡馬。上位常連の顔ぶれにまじって、2年目のキズナ、カレンブラックヒルの好スタートが目立つ。
注目は英国繁養の世界的人気種牡馬フランケルの猛ダッシュ。ノックオンウッド(牡、母トゥアーニー、美浦・堀宣行厩舎)が東京で豊かな将来性を感じさせる勝ち方を見せ、モンファボリ(牝、母フォエヴァーダーリング、栗東・須貝尚介厩舎)は、函館の芝1200mの2歳レコード更新の快走だ。手綱を取った武豊騎手が、「函館2歳S(7月18日、芝1200m、GIII)のときに、もう一度函館に戻ってきます」と宣言したほどで、今シーズン最初の2歳重賞ウィナーに最も近いのがモンファボリなのかもしれない。
馬名の意味は、フランス語で「私のお気に入り」。レジェンド・武豊騎手との初コンタクトで、見事にお気に入りの1頭になったのだから、奥も深そうだ。
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新馬戦を賑わすフランケル産駒。武豊のお気に入りの1頭は?(片山良三) - Number Web
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