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Wednesday, July 29, 2020

八王子のスーパー強盗殺人25年 捜査員ら「無念晴らす」 - 東京新聞

1995年7月、女性3人が射殺された東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」を調べる捜査員

1995年7月、女性3人が射殺された東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」を調べる捜査員

 東京都八王子市のスーパー「ナンペイ大和田店」で1995年、アルバイトの女子高生ら3人が射殺された強盗殺人事件は30日、発生から25年を迎える。通算7年半の間、事件を担当してきた警視庁捜査1課の岩城茂警視(58)ら捜査員たちは「絶対に犯人を捕まえ、遺族の無念を晴らす」と捜査を続けている。(奥村圭吾)

 八王子署捜査本部の片隅に被害者3人の遺影が飾られた仏壇がある。捜査員は毎朝、線香に火をつけ、手を合わせる。

 岩城警視は2010年に初めて専従捜査員になった。捜査本部に保管された膨大な資料を基に、証言者らを訪ねて全国を飛び回った。専従を1度離れたが、昨春に戻って以降は、捜査の指揮を任されている。

スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件の捜査を続ける警視庁捜査一課の岩城茂警視=23日、警視庁で

スーパー「ナンペイ」強盗殺人事件の捜査を続ける警視庁捜査一課の岩城茂警視=23日、警視庁で

 別の事件で逮捕された暴力団員の男の自宅から、犯行に使われた可能性のある拳銃が押収され、12年に製造元のフィリピンに渡った。13年には、事情を知る可能性が浮上したカナダ在住の中国人の男の移送や取り調べを担当したが、「どれも犯人にはつながらなかった」と唇をかむ。

 現役の捜査員では最長の10年4カ月にわたり事件を担当している警部補(56)は、今も頻繁に遺族の元を訪れる。「頼るのは警察。大変ですが、よろしくお願いします」と声を掛けてくれる遺族の期待に応えてあげたいと執念を燃やす。

 事件後、不審車の目撃情報を寄せた元タクシー運転手の男性(76)は「2カ月前にも捜査員が来た。並々ならぬ執念を感じたが、解決しなければ女子高生らは浮かばれない」と厳しい視線を向ける。

 凶悪事件の時効は撤廃されたが、関係者の記憶は薄らぎ、捜査は厳しさを増す。岩城警視は「DNA型鑑定など科学捜査の技術が向上し、今の時代だからできることはある」と話し、「事件当日、スーパーや盆踊りに行ったというくらいのささいな情報でもいいので、寄せてほしい」と呼び掛ける。情報提供は八王子署捜査本部=電042(621)0110=へ。

 八王子スーパー強盗殺人事件 1995年7月30日午後9時15分ごろ、東京都八王子市大和田町4のスーパー「ナンペイ大和田店」の2階事務所で、いずれもアルバイトの高校2年矢吹恵さん=当時(17)、前田寛美さん=同(16)、パート従業員の稲垣則子さん=同(47)=の3人が頭を拳銃で撃たれて殺害された。事務所の金庫の扉にも弾痕があったが、中の現金約500万円は残されていた。

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