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Monday, July 27, 2020

“史上最速”のフェラーリ「812 スーパーファスト」、珠玉のV12エンジンを愉しむ - Car Watch

“フェラーリ・ミュージック”は「狂気のパワー」とのセット

 F1マシンを彷彿とさせるデザインのステアリングホイール上に設けられた真っ赤なプッシュスイッチを押して、いよいよエンジンに火を入れる。多気筒エンジンならではのスムーズなクランキングの後、目覚めの瞬間に甲高い咆哮が周囲の空気を震わせる。率直なところ、それは早朝の住宅街などでははばかられる音量。しかし、スポーツカーファンにとってはこれもまた、至福の刹那に違いない。

V型12気筒6.5リッターエンジンは、最高出力588kW(800HP)/8500rpm、最大トルク718Nm/7000rpmを発生。最高速340km/h、0-100km/h加速2.9秒、0-200km/h加速7.9秒を達成する

 トランスミッションには、ダイレクトな伝達性と電光石火の変速が売り物のDCTを採用。その動作は微低速シーンでもスムーズそのもので、このあたりにはスピード性能の追求のみならず、GTカーとしての素性のよさも感じさせられる。

 そんなトランスミッションでオートモードを選択すると、アップシフトのタイミングは思いのほか早く、50km/hほどで7速に達してしまうのはちょっとした驚き。ちなみに、大型のシフトパドルはステアリング操作を行なっても位置の変わることのない固定式を採用。ステアリング上の小さなローラーを操作するワイパースイッチと共に、文字にすると一見「やりにくそう……」とも思えるが、実はいずれも咄嗟のシーンですこぶる扱いやすいことを確認。“運転好きの運転上手”が、その設計に絡んでいることは明らかという印象だ。

 ルームミラー越しの視界やドアミラー視界が思いのほか優れているのに加え、スイッチ操作1つでアプローチアングルを瞬時に稼ぐことができるリフターも装備され、その気になれば街乗りも問題なくこなす実用性を備えている。

 とはいえ、エアロダイナミクスを究めたボディ後端には低く大型のディフューザーが備わり、また全幅が2mに近いということもあって、やはり駐車時には特に気を遣わされるのは避けられない。それよりも何よりも、このモデル自身がそうしたシーンでの走りを本意としていないのは間違いないだろう。

 というわけで、そんな街乗りシーンを抜け出し、オープンロードへと連れ出された812 スーパーファストは、予想通りまさに“水を得た魚”という表情を見せてくれることとなった。

「最高速は340km/h以上」と報じられるこのモデルにとって、日本の高速道路では持てるパフォーマンスのほんの序章を用いるに過ぎない状況。実際、8900rpmというレブリミットに対して、100km/hクルージング時のエンジン回転数はわずか2200rpmに過ぎないのだ。

 それでも、そこから左側パドルを手前に引いてダウンシフトを試みれば、すでに3000rpm程度でも“いい音”の片鱗を聞かせてくれる。さらに、高速道路を降りてワインディングロードへと差し掛かり、タコメーターの針が5000rpm付近にまで到達すると、そこで耳に届くのは“快音”としか表現することのできない自然吸気12気筒ユニットならではの珠玉のサウンド、いや、もはやミュージックそのものだ。

 もっとも、“フェラーリ・ミュージック”は「狂気のパワー」とのセットでもある。幸いなことに、テストドライブ当日は貴重な梅雨の中休み。路面状況はほぼドライであったものの、それでも「3速にバトンタッチされた後も、ラフなアクセル操作では隙を見てホイールスピンしようとする」のが、800PSにFRという組み合わせでもある。

 加えれば、これもまたF1マシンへのオマージュを感じさせるステアリングホイール上のダイヤルを用いて、ドライブモード“マネッティーノ”のセッティングをデフォルトの「スポーツ」から1段階スポーティな「レース」へと変更すると、DCTのセッティングが変速のたびにコツンとくるショックを許容する、よりダイレクト感あふれるものへと変貌。もしもウエット路面であれば、それをきっかけに一気にスピンモードまで行ってしまいそうにも思えることとなった。

 812 スーパーファストはブランドのフラグシップモデルらしく、“フェラーリ初”を謳う電動パワーステアリングを筆頭に、電子制御式の後輪操舵や同じく制御されたLSDなど、多数の最新メカを装備するテクノロジー・ショーケース的な要素も備えた最新のハイテクモデル。例えば、フロントに巨大な12気筒エンジンが載っているとは思えない、コーナー進入時の何とも軽快で軽やかな振る舞いなどは、恐らくそうしたアイテムが巧みにスクラムを組んだ結果による挙動でもあるはずだ。

 それでも、そんな過渡領域を過ぎてしまえば「800PSエンジンとFRレイアウトの持ち主」という基本的構成が、その走りのキャラクターを決定づけることになるに違いない――今回は、垣間見ることすらできなかったサーキットスピードでの走りに、そんな思いを彷彿とさせる怒涛のスーパースポーツカーでもあった。

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July 27, 2020 at 10:13AM
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