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Saturday, February 19, 2022

スーパーフード「青パパイア」ドリンクは鳥取産 - 産経ニュース

青パパイアを使ったジュースとリキュールの完成を発表する鳥取県立倉吉農業高校の生徒ら
青パパイアを使ったジュースとリキュールの完成を発表する鳥取県立倉吉農業高校の生徒ら

南国の果実「パパイア」のジュースとリキュールが、栽培から加工まですべて鳥取県産ドリンクとして2月28日に発売される。といっても、原料は果実が熟さない「青パパイア」。鳥取商工会議所をパイプ役に農業高校や農業者、県外から工場進出している酒造会社がコラボレーションした。青パパイアは消化や代謝を促進して免疫力を高める酵素や抗酸化作用があるポリフェノールを多く含み、栄養価の高い「スーパーフード」として注目されており、県内では葉をお茶にするなど別の商品化研究も進んでいる。

農業高校がパイオニア

「生徒たちの学びが形になった。農業高校にとって地域貢献も大きなテーマで、その意味でもうれしい」

関係者が集まって開かれた発表会で、青パパイア栽培を指導した県立倉吉農業高校の秋山勝正教諭は、こうあいさつした。

青パパイア。スーパーフードとして注目されている(鳥取県立倉吉農業高校提供)
青パパイア。スーパーフードとして注目されている(鳥取県立倉吉農業高校提供)

青パパイアは成熟して黄色くなる前の未熟な果実で、果物というよりも野菜として食べられる。豚肉やツナと一緒に炒めた沖縄料理「パパイヤイリチー」など、主にサラダや炒め物として利用されている。アメリカ大陸の熱帯地域が原産で国内では沖縄や鹿児島で生産されているが、病害虫に強いなどの特徴から耕作放棄地に適した作物として、最近では栽培地が関東にも広がっている。

秋山教諭は倉吉農高の前に勤務していた別の県立高校で、県内でいち早く栽培に取り組んだ障害者活動センターの要請を受け、育苗を研究。4年前から苗を育成して県内の農業者に広めるとともに、栽培ノウハウを蓄積してきた。

今年度は、6次産品開発を目指し「SDGs青パパイア流通プロジェクト」を立ち上げた鳥取商工会議所とともに、鳥取市郊外の鳥取空港近くにある耕作放棄地で苗20本を栽培した。

鳥取空港近くに植え付けらえた青パパイアの苗(鳥取県立倉吉農業高校提供)
鳥取空港近くに植え付けらえた青パパイアの苗(鳥取県立倉吉農業高校提供)

県内産の500キロ受け入れ

「鳥取はフルーツが多いところ。市場には出せない果実も活用し、自分たちのドリンク、リキュールを一緒に作っていきたい」と、ジュースとリキュールを製品化する北岡本店の保井喬常務は意欲をみせる。

同社は清酒「八咫烏(やたがらす)」で知られる奈良県吉野町の老舗酒造会社。令和元年に鳥取県八頭町の誘致企業として鳥取工場の操業を始めた。

ドリンク製造のきっかけは、鳥取商議所から商品化検討の話が持ち込まれたことだった。同社はこれまでも二十世紀梨や柿などのドリンク生産に取り組んでおり、「地元とのつながりを大切にしよう」と商品化を決定。昨年9月、関係者が集まり、同工場が試作したリキュールと清涼飲料水を試飲するなど、試行錯誤を重ねて商品化を実現した。10月末には、形が悪かったり小さかったりするなど規格外のものを含めて、倉吉農高が苗を販売するなどした県内全域の生産者から青パパイア約500キロの受け入れを決めた。

ドリンクは、実の皮をむいてすりおろし加工し、砂糖と水、リキュールにはアルコールを加えて製造する。同工場商品開発部長の則安沙央理さんは「熟したパパイアとは違う味で意外な感じがした。果汁がなく味を出しにくかったが、果肉のシャリシャリ感を生かした。健康志向の方に喜ばれるのでは」と期待をこめた。

北岡本店鳥取工場が販売する「青鬼パパイヤのお酒」
北岡本店鳥取工場が販売する「青鬼パパイヤのお酒」
北岡本店鳥取工場が販売する「青春パパイヤ酵素のちから」
北岡本店鳥取工場が販売する「青春パパイヤ酵素のちから」

高校生が命名、デザイン

商品名はジュースが「青春パパイヤ酵素のちから」、リキュールは「青鬼パパイヤのお酒」に決まった。同社側のリクエストで、倉吉農高の生徒たちが命名し、ラベルも手掛けた。発表会では3年の竹内温紀(はるき)さんと本田静流(しずる)さんが「青パパイアの『青』にこだわり、カッコいい二字熟語を使った。青春には未成年、青鬼は妖怪のイメージを込めた。ラベルには鳥取の星空、砂丘、ラクダを使い、覚えやすいデザインとした」と説明した。

6次産品の開発を目指す鳥取商議所は、青パパイアをその第1号と位置付ける。農商工連携担当の平井啓子さんは「商品化までスピード感があった」と話した。鳥取県内の青パパイアは、北岡本店のジュースやリキュールのほかにもジャムやかす漬け・酢漬けなどの試作も進んでいる。同商議所は「来年度以降、栽培地を増やし安定した収穫量を確保したい」とし、特産化と加工品の名産化を視野に入れている。(松田則章)

青春パパイヤ酵素の力(710ミリリットル)、青鬼パパイヤのお酒(720ミリリットル、アルコール分7%)は、ともに税込み1397円。北岡本店鳥取工場(0858・71・0316)で販売する。

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