6月に退役したANAホールディングス(ANAHD、9202)のボーイング737-500型機「スーパードルフィン」のうち、最終便に使用された機体(登録記号JA306K)が7月29日朝、羽田空港から上海の北に位置する中国・南通へ向かった。最後まで残った3機のうち、23日に日本を離れたJA305Kは、胴体や垂直尾翼に描かれていたロゴが消されていたが、JA306Kはすべて残った状態で羽田を飛び立った。
737-500は25年前の1995年7月21日に1路線目の福岡-鹿児島線に就航し、離島を含む地方路線に25機が投入された。「スーパードルフィン」の愛称は、当時のエアーニッポン(ANK/EL、現ANA)が社内公募を行い、機体がイルカに似ていることや、小回りが利いてスピード感があること、元気で親しみやすいことなどの理由で名付けられた。6月の退役までは、グループで地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)が運航していた。
座席数は1クラス126席で、ANAグループが運航する737の中でもっとも小さい機体だった。カウルにドルフィンが大きく描かれたエンジンは、CFMインターナショナル製CFM56-3を採用。従来よりも大型化したため、正面から見ると空気を取り入れる「インテーク」下部が平たく見える「おにぎり型」なのが特徴だった。残り3機となった2019年12月からは、前方左側の乗客が乗降に使う「L1ドア」付近とエンジンカウルにデカールが貼られた。
JA306Kは残り3機のうちJA305KとJA307Kが運航から離脱後も飛び続け、6月14日の福岡発羽田行きNH254便が最終便となった。日本での登録日は1999年5月18日で、約20年にわたり各地を飛んだ。29日は羽田のD滑走路(RWY05)から午前8時39分ごろ離陸。中国東部・江蘇省にある南通興東空港へ向かった。格納庫前から出発時には、ANAの737-800や同社の単通路機では最新で最大のエアバスA321neoと並んでいた。
最後に残ったJA307Kも、夏の終わりまでには羽田から飛び立つ予定で、日本国内から「737クラシック」と呼ばれていた機体が姿を消す。
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全日本空輸
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外観編 イルカ描かれたエンジンカウル
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