鷹の若き右腕が試練の時を迎えている。好投を続けていたソフトバンク板東湧梧投手(25)が、2試合続けて痛恨の被弾を喫した。交流戦の12日ヤクルト戦では同点の8回に決勝2ラン。19日日本ハム戦でも、同点の8回に一時勝ち越しのソロ弾を浴びた(試合は追いついて引き分け)。

18年ドラフト4位の3年目。昨年10月に右肘手術を受け、リハビリを経て今年5月に1軍昇格した。森やモイネロが不在の中で着実に結果を重ね、勝ちパターンの1人として腕を振っている。

アニメ好きでもある板東は、今期は「不滅のあなたへ」を楽しみに視聴しているという。さまざまな物体から刺激を受けることで、その性質を写し取るという能力を持つ「フシ」という主人公が、人や物と出会い進化していく物語だ。

社会人時代、そして入団当初は自他共に「先発タイプ」として見られていた板東だが、いろんなポジションを経験し「するたびに選択肢が広がっていると思っています。どこでやっても楽しさ、やりがいはあります」と、フシのように新しい性質を獲得しながら成長している。

フシにはもうひとつ、たとえ死んでしまっても何度でもよみがえる「不死」の能力がある。まだまだ若い板東は、悔しい経験からフシのように何度でも立ち上がり、さらに進化していくと信じている。【ソフトバンク担当=山本大地】