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Thursday, October 7, 2021

文人ゆかり 浅草橋に古書店 きょうオープン お気に入り「みつけ」て - 東京新聞

「古書みつけ」の店内に立つオーナーの伊勢さん(右)と店主の堀田さん。右下が、浅草橋関連本のコーナー

「古書みつけ」の店内に立つオーナーの伊勢さん(右)と店主の堀田さん。右下が、浅草橋関連本のコーナー

 書店の空白地帯とされる台東区の浅草橋エリアに八日、古書店「古書みつけ」(柳橋一)がオープンする。一帯は、かつて花街「柳橋」があり、島崎藤村、山本周五郎ら多くの文人の作品に登場する「文学の街」。経営者らは、本を通して街を活性化する拠点となる店を目指しており、エリア内の店々で商いにちなんだ本を並べる「小さな本箱」のアイデアも練っている。

 インターネットで地域の飲食店などを紹介するメディア「浅草橋を歩く。」を運営する地元編集プロダクション「伊勢出版」が店を総合プロデュース。木をたっぷり使った店内はどこか懐かしく、温かい雰囲気に包まれている。

 店名の「みつけ」には、お気に入りの本を見つけてほしいという願いや、本を読んで知識の実を付けてほしいという願いを込めた。浅草橋には江戸時代に警備施設「浅草見附」があったことを知ってほしいとの思いもあるという。

古民家を改装した「古書みつけ」の外観=いずれも台東区で

古民家を改装した「古書みつけ」の外観=いずれも台東区で

 今年六月、伊勢出版の伊勢新九朗代表(40)や、元職場の同僚でライター・編集者の堀田孝之さん(37)が、「浅草橋には本屋がなくて寂しい。古本屋には夢がある」と開店に向けて動きだした。二階建ての旧古民家を見つけ、倉庫だった一階をDIYで改装した。二階には伊勢出版のオフィスも近くから移ってきた。

 浅草橋エリアは島崎藤村が住み、藤沢周平や山本周五郎、池波正太郎らが小説の舞台とし、エッセーで街の名店を記すなど、作家に愛された土地。正岡子規も柳橋を俳句に詠んでいる。

 そんな地域ゆかりの本をまとめて置き、店長になった堀田さんの短い言葉で紹介するコーナーが店の目玉。付近住民からの寄贈や仕入れによって並べた本は児童書から実用書、海外の文学まで多種多様で、堀田さんは「いろんな年齢層の人に散歩の途中にふらっと立ち寄ってほしい」と話す。

 午前十一時〜午後七時。水、日曜定休。本の寄贈は受けるが、当面、買い取りはしない。問い合わせは、伊勢出版=電03(5846)9193=へ。(井上幸一)

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