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(ブルームバーグ): 原材料価格や輸送費の高騰などを背景に国内でも物価上昇の兆しが出ている中、食品を中心とした格安販売で消費者の支持を集めてきた「業務スーパー」を展開する神戸物産は大規模な値上げに踏み切った。今後も値上げ基調は継続する可能性がある。
神戸物産の沼田博和社長は10月28日のオンラインでのインタビューで、「原材料のコストアップ、資材、運賃、光熱費などあらゆるコストが上がっている」と指摘。同社は9月、大規模な値上げを実施した。今後も「適正な値上げを行うのが前提になる」と述べた。
神戸物産では7月に欧米からの輸入品の一部を対象に値上げを実施。その後も海上運賃の高騰などでコストがかさんだため、9月にアジアから輸入しているプライベートブランド(PB)200品目の値上げに踏み切った。値上げ幅は平均で約8%。商品価格の見直しは随時行っているが、今回の規模の値上げは2008年の小麦価格高騰や13年の急速な円安以来という。
沼田社長は今後はPBに限らず他社メーカーのナショナルブランド(NB)商品に関しても「値上げをせざるを得ない」と述べ、メーカーからの値上げ要請を基に価格の見直しを進めていく考えを示した。
業務スーパーの店舗では商品が入った段ボールがいくつも積み上げられ、客はそこから直接商品を取っていく。うどん1玉19円、食パン1斤67円という安さが最大の売りだ。
店舗を倉庫代わりにしてバックヤードのスペースを極端に切り詰めたり、自社独自のPB商品を積極的に取り扱ったりすることで低価格を実現した。アパレルのファーストリテイリングや家具販売のニトリホールディングス(HD)と同じ、製造小売り(SPA)に近い業態だ。
沼田社長は顧客の支持を維持するためには単に値上げだけでなく、コスト削減を急ぐ必要があるとの考えを示した。ここ数年PBが大幅に伸びたため輸入商品を保管する倉庫の確保が追い付かず、拠点が分散してコスト増要因になっていることから、少数の規模の大きい拠点にまとめることを念頭に「物流倉庫関係の企業と良い縁があれば検討したい」と述べた。
からの記事と詳細 ( 格安で急成長「業務スーパー」も値上げモード、物価上昇で-神戸物産(Bloomberg) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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