地域の人々が毎日のように集い、夏には盛大な祭りも開催される。まるで町のコミュニティーセンターのようなスーパーマーケットが秋田県横手市にある「スーパーモールラッキー」だ。衣食住が何でもそろい、地元民の生活の中心に位置する巨大スーパーだが、実は約15年前は存続の危機に見舞われていた。どのように苦境を乗り越え、地域に愛される存在となったのか。
売り場面積は約1万500平方メートル。反対側の壁が見えないほど広い店舗に、野菜や果物といった食品だけでなく、衣類や玩具、家電、本まで置いてある総合スーパーマーケットが秋田県横手市にある「スーパーモールラッキー」だ。キャンプグッズが充実したアウトドア用品コーナーや、DIYグッズや園芸用品がそろう資材館、車の修理やパーツ交換も行うカーピットなど、生活のありとあらゆるものがこの店でそろう。870台収容できる巨大な駐車場を完備し、地域の老若男女が車に乗って次々と買い物にやって来る。
スーパーモールラッキーの魅力は品ぞろえだけではない。店内には椅子やテーブルが数多く並べられたスペース「Green Garden」があり、誰でも自由に使えるようになっている。コーヒーを飲んで一服する人や弁当を食べる人、井戸端会議で話し込む人など、さまざまな人がくつろいでいる。無線LANを自由に使え、サイトから予約すればワークショップやセミナー、研修などを開けるレンタルスペースとしても使える。買い物だけでなく、誰かと話をするためにここへやって来るシニアの姿も。地域の人々が集う町のコミュニティーセンターのようなスペースでもあるのだ。
スーパーモールラッキーがいかに地域の人々に利用され、愛されているか。象徴的なのが、スーパーモールラッキーを運営するマルシメ(秋田県横手市)が主催し、毎年7月ごろに2日間にわたって行われる「夏の大感謝祭」だ(2021年、22年は開催中止)。20年以上続いている夏祭りで、地域の人に“ラッキー祭り”と呼ばれるほどすっかり根付いており、同時期に行われる地元・十文字町の伝統行事「猩々(しょうじょう)まつり」の実行委員会と相談し、開催日程をずらすように調整するほど規模が大きい。祭り当日は駐車場が一般開放され、多くの屋台が出店。特設ステージではよさこいやなまはげ太鼓、大ビンゴ大会といったイベントが行われ、2日目の夜には打ち上げ花火が盛大にフィナーレを飾る。
3種類ある食品売り場
地域の人の生活に欠かせない存在のスーパーモールラッキー。だが、実は約15年前は会社の存続が危ぶまれるほどの危機的状況に陥っていた。
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