昔ながらのスーパーリッチが何か新たな動きに出そうにない中で、スイス銀行最大手 UBSグループは資産を増やす過程にある若い顧客の獲得を目指している。
UBSがロボアドバイザーの米 ウェルスフロントを現金14億ドル(約1600億円)で買収する計画は、世界の超富裕層をこれまで顧客としてきた保守的な金融機関が、比較的若い層を取り込む重要性をいかに認識しつつあるかを示唆する。こうした若い世代は銀行業務のへの見方が年齢の高い層と大きく異なる。
UBS、ロボアドバイザーの米ウェルスフロント買収へ-約1600億円
Z世代とミレニアル世代の投資家は迅速なデジタルでの助言とポートフォリオを容易にカスタマイズできるプラットフォームを求める。資産運用では人よりアルゴリズムを信用することが多く、株式や暗号資産(仮想通貨)、オプションなどのさまざまな分野に関心を持ちつつある。
こうしたニーズに対応するサービスを提供するロボアドバイザーは急速に普及しており、バックエンド・ベンチマーキングによると、業界の運用資産は2020年末時点で7850億ドルに達する。ウェルスフロントとベターメントは業界の先駆けだが、今やバンガード・パーソナル・アドバイザー・サービシズやエデルマン・ファイナンシャル・エンジンズなどがその多くの資産を支配している。
一方、UBSはこの市場セグメントへの参入に苦労していたと、モーニングスターのパッシブ戦略調査世界ディレクターのベン・ジョンソン氏は指摘する。「UBSは多額の資産を持つ個人にサービスを提供する傾向があった。今回の買収により、プラットフォームとテクノロジーを使った有意な方法で大衆に近づける」と語った。
ウェルスフロントは2008年の事業開始以降、低コストと自動化された投資運用で人気を集めており、運用資産は270億ドル強、米顧客は47万人を上回る。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「助言業界はデジタル化が進行しコストも低くなっており、それが若い人たちに受け入れられる点だ」と分析した。
今回の買収はUBSが若い投資家の将来の資産を確保する上でより良い態勢確保につながる。ベビーブーマーからその子供たちへの資産引き継ぎが史上有数の資産移行になる見込みを踏まえるとなおさらだ。
バルチュナス氏は「若い世代の投資家に自社のプラットフォームを使ってもらえるなら、向こう50年間の顧客になる」と語った。
原題:
Bank for the Super Rich Is Taking Aim at the Younger Merely Rich(抜粋)
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