アマゾンジャパンが「Amazon Prime」会員向けに提供している音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Prime」に11月1日、仕様変更が実装された。楽曲数を大幅に増やした一方で、基本的にシャッフル再生のみとなり、聴きたい曲を選んで再生することができなくなった。
仕様変により、楽曲数はこれまでの200万曲から1億曲に大幅増強された。楽曲数は同社の音楽ストリーミングサービス「Amazon Music Unlimited」と同じだ。さらに、ポッドキャストを強化。新たに芸能人やアーティストをMCに迎えた5つの独占番組を配信する。
一方で、選曲や操作には制限が設けられた。これまで通り再生したい曲の指定、曲送り、曲戻し、シークバーの操作は、Amazon Musicがユーザーの嗜好から作成した「厳選プレイリスト」のみに限定。その他はシャッフル再生となる。
このため、アーティストや楽曲を検索して特定の曲を流そうとしても、シャッフルで違う曲が再生される。ユーザーが作成したプレイリストも同様で、プレイリストにない「傾向が似た曲」も交えてシャッフル再生する。曲送り、曲戻し、シークバーの操作は上限があり、回数を超えるとUnlimitedの登録ボタンが出現する。この他、オフライン再生機能も撤廃された(厳選プレイリストは可能)。
新仕様に対するユーザーの反応は冷ややかだ。Twitterでは「Amazon Music」がトレンド入りしたが、「聞きたい曲が選べない」「プレイリストを再生しようとしても興味のない曲が勝手に再生される」などのコメントが投稿されており、仕様変更を「改悪」とする声が多く上がった。購入したアルバムもシャッフル再生するようで「Kindleで購入した本を読もうとしたらいきなり他の漫画に飛ばされても許せるか?」といった声もあった。
仕様変更した理由についてアマゾンジャパンは
この仕様変更についてアマゾンジャパンに確認したところ「『もっと多くの楽曲を聴きたい』というお客様の声にお応えし、新しい音楽との出会いに機会を増やしていただくためです」と回答。また、「多くのプライム会員のお客様はバックグラウンドで音楽を再生するというリーンバックなリスニングスタイルを好まれているので、そのニーズにも対応させていただきました」としている。またプライム会員は、新しい音楽を発見するディスカバリー機能を好む傾向にもあるため、今回の仕様変更を実施したようだ。
これまでは曲数を絞ることで、Unlimitedと差別化していたAmazon Music Primeだが、立ち位置を“Unlimitedの機能限定版”に変えることで、サブスクリプションへの加入を強力に促す方針に転換したようだ。とはいえ、特典扱いではあるもののAmazon Music Primeは有料会員向けのサービスであり、完全無料で使えるSpotifyのフリープランなどとは性質が異なる。今回の仕様変更が有料会員サービスのユーザー体験として適切なのか、議論が起こりそうだ。
関連記事
関連リンク
からの記事と詳細 ( 「聞きたい曲が選べない」 Amazon Music Primeの新仕様で動揺広がる 変更の理由は? - ITmedia NEWS )
https://ift.tt/gu1IsqW
エンタメ
No comments:
Post a Comment