人工知能(AI)やビッグデータを活用した最先端都市「スーパーシティー」構想の実現に向けた国家戦略特区法改正案が27日、参院本会議で可決、成立した。複雑な制度設計や個人情報流出の懸念から法整備が遅れていたが、新型コロナウイルスの影響で遠隔診療やオンライン教育の重要性が高まっており、スーパーシティーを起点に全国の規制緩和の追い風になりそうだ。
スーパーシティーは複数にまたがる分野の規制を一括で緩和し、自動運転やキャッシュレス決済などの先端サービスを住民に提供する構想。安倍晋三首相は19日の国家戦略特区諮問会議で「社会のあらゆる分野で遠隔対応を一気に進め、未来を先取りする新たな日常を作り上げたい」と述べた。
現在、全国54の自治体などがスーパーシティー構想に意欲を示している。政府は早ければ今夏にも導入を目指す地域の募集を始め、年内をめどに全国5カ所程度を選定する。選ばれた地域で住民合意が得られれば、首相が担当閣僚に規制緩和に向けた特例措置を指示する。
ICT(情報通信技術)を活用したスーパーシティーでは、ペーパーレスで行政サービスを受けたり、自動運転や小型無人機(ドローン)による医薬品配送などが可能になる。人口減が進む地方創生の起爆剤としてだけでなく、感染症対策として人と人との接触を避けながら住民生活を守る基盤にもなり得る。構想実現に向け、第5世代(5G)移動通信システムの中山間地域での整備も急ぐ考えだ。(永原慎吾)
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スーパーシティー法”成立 AIや自動運転技術など活用に向け規制緩和 - ITmedia
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