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Sunday, May 31, 2020

ゴードン・マレーの新型スーパーカー『T.50』、980kgに軽量化…2022年に発売 - レスポンス

デザイナーのゴードン・マレー氏が率いるゴードン・マレー・オートモーティブは、2022年に発売予定の新型スーパーカーの『T.50』(GORDON MURRAY T.50)の車両重量を、1トンを下回る980kgとすると発表した。

ゴードン・マレー氏は、1992年に発表されたマクラーレン『F1』のデザインを担当したことで知られる。同車は、F1のマクラーレンと同じグループ会社、英国のマクラーレンオートモーティブが、F1参戦から得たノウハウを導入して開発したスーパーカーだった。

マクラーレンF1は、BMW製の6.1リットルV型12気筒ガソリンエンジン(最大出力627ps)をミッドシップに搭載していた。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽量さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

車両重量980kgを可能にする軽量化技術

T.50は、ゴードン・マレー・オートモーティブの第1号車となる新型スーパーカーだ。車名の「50」とは、ゴードン・マレー氏の自動車デザイン、エンジニアリング、モータースポーツにおけるキャリアが50周年を迎えたことを意味している。

T.50のボディサイズは全長4380mm、全幅1850mm。ポルシェ『911』よりも小さい2ドアのグランドツアラースーパーカーになる。マクラーレF1同様、運転席と、そのやや後方に2座席を設置する3シートレイアウトを採用する。ゴードン・マレー・オートモーティブ T.50

T.50には、独自設計のカーボンファイバー製モノコックを採用する。ボディパネルもカーボンファイバー製だ。ブレーキもカーボンセラミックとした。すべての部品の重量を最小限に抑えることに重点を置いた軽量化戦略により、車両重量は1トンを下回り、980kgに抑えられる。ゴードン・マレー・デザインによると、他のスーパーカー(約1436kgの平均値)よりも、圧倒的に軽量という。

この軽量化に貢献しているのが、フルカーボンファイバー製のモノコックとボディパネルで、合計重量は150kg以下。インテリアでは、3つのバケットシートにもカーボンファイバーを使用した。中央に配置された運転席の重量は7kg以下。その後部にある2つのシートは、それぞれ3kg以下とした。

また、トランスミッションはF1マシンより10kg軽量で、ガラスは他のスーパーカーよりも28%薄い設計とした。4.0リットルV型12気筒ガソリンエンジンの重量は180kg以下。これにより、マクラーレンF1のBMW 製V12に比べて、60kg以上の軽量化を達成している。

48Vマイルドハイブリッドで最大出力700hp

ミッドシップに搭載されるのは、コスワースと共同開発される排気量4.0リットル(3980cc)のV型12気筒ガソリン自然吸気エンジン。最大出力は650hp、最大トルクは45.9kgmを引き出す。このV12は、1万2100rpmまで回る高回転域志向のエンジンとなる。トランスミッションは英国のXtrac製の6速MTを組み合わせる。シフトは「Hパターン」。多くのスーパーカーが採用するデュアルクラッチは、あえて採用していないという。

「Vmaxモード」では、最大出力は700hpに引き上げられる。T.50には「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と呼ばれる48ボルトのマイルドハイブリッドシステムが搭載される。Vmaxモードは、48ボルトのスタータージェネレーターからの電力により、最大3分間、追加ブーストが得られるモードだ。ブラバムBT46B(1978年F1スウェーデンGP)

車体後部に直径400mmの「ファン」装着

T.50では、最も先進的なエアロダイナミクス性能を追求する。そのひとつの例が、車体後部に装着される直径400mmの「ファン」だ。これは、ゴードン・マレー氏がかつて設計したF1マシン、ブラバム「BT46B」(通称:ファンカー)のアイデア。大型のファンを回転させることにより、フロア下の空気を強制的に後方へ吸い出し、強力なダウンフォースを生み出す。1978年のF1スウェーデンGPに初投入されたブラバムBT46Bは、ニキ・ラウダが操り、いきなりの優勝を成し遂げた。しかし、ブラバムBT46Bは、この優勝限りでF1参戦を禁じられ、伝説のF1マシンの1台となった。

T.50のファンは、可変式の車体下部ダクトとリアウイングを組み合わせることにより、6つの異なるエアロモードが切り替わる。通常走行の「オートモード」では、速度とドライバーの操作に応じて、リアウイング、ファン、アンダーボディディフューザーを最適化する。高レベルの減速が必要な場合、「ブレーキモード」に切り替わり、リアウイングを自動的に展開し、ファンを高速回転させる。これにより、ダウンフォースが2倍になり、安定性とグリップを向上。240km/hからのブレーキでは、制動距離を10m短縮できるという。

他の4つのエアロモードは、ドライバーが選択可能だ。 「ハイダウンフォースモード」はトラクションを強化する。ファンとウイングが連携してダウンフォースを30%増加させる。「流線型モード」では、抗力を10%削減し、直線での速度を向上させると同時に、燃費とダウンフォースを抑える。このモードでは、アンダーボディダクトが閉じられ、ファンが高速で作動する。「仮想ロングテール」状態を作り出すという。

なお、T.50は、税抜きで200万ポンド(約2億6685万円)以上の価格で、2022年から限定100台の納車を開始する予定だ。

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June 01, 2020 at 10:45AM
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