石橋貴明が文化人、ミュージシャン、タレント、アスリートなどジャンルを問わず“話してみたい”ゲストを迎え、焚き火の前でじっくり語り合うフジテレビ『石橋、薪を焚べる』。
8月25日(火)の放送は、作詞家・松本隆が登場する前編。これまでに2000曲以上の歌詞を提供してきた松本の音楽のルーツや、伝説のバンド「はっぴいえんど」解散秘話、作詞家に転向した理由などを語った。
「初めて会う感じがしませんね」と言う松本に対し、石橋は「いやいや、僕はあがってますよ!」と興奮気味。
ビートルズを見て「バンドやりたい」
まずは、東京・南青山のど真ん中で生まれ育ったという松本に音楽のルーツを聞いていく。
石橋:どんなお子さんだったんですか?
松本:僕ですか?クラスで一番背は高いから…それはわかるでしょ、そういう感じ。あと、あんまり僕はしゃべらなかったから、背はデカいんだけど、地味だったよね。何かね。勉強はまぁ、そこそこできたかな。
石橋:勉強はできた。
松本:慶應入ったら普通になったけど(笑)。
石橋:勉強できて、ドラムが叩けて?
松本:ドラムが叩けて、親が大蔵省だったから(笑)。官僚ですね。
石橋:すごい。ちゃんぼつ(坊ちゃん)だ!
松本:でも、そんなにモテなかったね(笑)。
石橋:何でドラムだったんですか?
松本:ドラムはね、ビートルズを見て。バンドやりたいなと思ってね。
石橋:ギターじゃなくて、ドラムだったんですね。
松本:ああ、そうだね。何かね、ギターも買ったんだけど、合わなかったんだね。ドラムだったらできるかなっていう感じで。
石橋:そうだったんですか。
松本:高1から始めたんだけど、ちゃんとしたバンドは。でも高2くらいで、ドラム合戦みたいなやつの全国大会で優勝してるの。
1年ほどで優勝するほどの腕前になったという松本は、優勝の副賞として、テレビでドラムソロをたたいたこともあったと語った。
作詞家デビューしていきなりベストテン入り
石橋は、松本が作詞家になった経緯を聞いていく。
石橋:松本さんは、なぜ作詞家という方向に?ミュージシャンから。
松本:最初は、はっぴいえんどっていうバンドをやっていて、あんまり儲からなかったんですね。経済的にもうダメだなと解散したんですけど。そのあと子どもができたんですね。娘ができて「稼がないとヤバい」と思って「作詞家になる」と宣言したんです、友達3人くらいに。「何かあったら声かけて」って。その3人のうち2人が仕事持ってきてくれて。アグネス・チャンの仕事と、チューリップの仕事と。その2つを書いたら2曲ともベストテンに入っちゃったんです。
石橋:え!?いきなり?
松本:いきなりベストテンに入っちゃって。初めは歌詞を書こうなんて思っていなくて。(はっぴいえんど時代も)細野(晴臣)さんと話し合った時に、「じゃあ誰が詞を書く?」「松本が書け」っていうから僕が書いたら、はっぴいえんどの名盤ができちゃって。それもね、(作詞家としての)下積みがゼロだったの(笑)。
何をやってもスマートにこなしてしまう松本に、石橋は感心しきり。
ロックは英語でやらなければ「けしからん」と怒られた時代
そして話題は、 細野、大滝詠一、松本、鈴木茂という錚々(そうそう)たるメンバーで結成された伝説のバンド、はっぴいえんどのデビューから解散秘話へ。
松本:はっぴいえんどは、音源ができて、これから発売しようという前にお偉いさんや大物が5~6人集まって。僕らは、19とか20歳くらいで、デビュー前ですよ。「お前らは、なんで日本語でロックをやるんだ」って怒られたんです(笑)。
石橋:ロックは、日本語でやっちゃいけないってルールがあったんですか?
松本:あったんですよ。昔はね、英語でやらなくちゃいけないって。「けしからん」って言うの(笑)。
石橋:単純に「はっぴいえんどは、ロックバンドじゃなくてフォークバンドだ」と言ったら文句は言われなかったんですか?
松本:OK。うん。
石橋:ロックバンドと言った手前、日本語で歌うとは…。
松本:けしからんと(笑)。その時に擁護してくれたのはミッキー・カーチスさんだけでした。ミッキーさんは「君たちの音楽は面白い」と言ってくれて。それ以外に文句言ってた人たちは、聴いてないんじゃないかな。
石橋:これだけすごいメンバーがいて、もう少し(長くバンドを)やるという選択肢はなかったんですか?
松本:あまりにもすごすぎて、もうね、1枚目からぎくしゃくして。2枚目の「風街ろまん」ていうの作って、もうダメかもしれないと思った。
石橋:誰がリーダーだったんですか?
松本:細野晴臣。
石橋:リーダーはどうだったんですか?「もう少しやろう」とか。
松本:そういうリーダーシップ、ないですから、あの人(笑)。
石橋:ふはははは!
松本:自分のことしか考えてない(笑)。
新幹線移動の際に、ふと細野を見ると次のバンドの名前を考えていた、というエピソードを明かし「やる気ないんだなこの人」と思ったと笑う。
石橋:空中分解だったんですか?
松本:よくわからない。あのね、ある日突然ね、会議があって、「はっぴいえんどは解散することにしたから」って細野さんが言ったかな。「どうして?」って言ったら「こないだ大滝と話し合って決めた」って(笑)。僕と鈴木茂は…。
石橋:蚊帳の外だった。
松本:そう(笑)。
石橋:大滝さんも解散派だったんですか。
松本:大滝さんと、どうもケンカしたみたいなんだけど、誰も細かいことを言わないから、何が起きたかは全然わからない。
石橋:知らない間に、解散が。
松本:どっかでケンカして。聞いてもそれはごまかされるのね。いまだに真相わからない。
石橋世代が夢中になったあこがれの「お姉さん」
1973年にはっぴいえんどが解散し、作詞家に転向した松本は、チューリップに詞を提供した「夏色のおもいで」がヒット。74年にはアグネス・チャンの「ポケットいっぱいの秘密」がヒット、さらに11月には多くの楽曲を提供することになる太田裕美がデビューしたといい「運が良かった」と振り返る。
石橋:なにせ、僕ら1961年、昭和36年生まれは、やっぱり「木綿のハンカチーフ」ですね。太田裕美さん。あれを当時聞いて「太田裕美さんいいな~」って。中学生くらいって年上の女性にあこがれるじゃないですか。太田裕美さんて、何かね、本当に理想の年上の女性っていう。
松本:お姉さんですか。
石橋:お姉さんで。「しあわせ未満」とかいいんだよな~。
松本:あれは名曲ですよね。
石橋:いいですよね。
松本:筒美京平さんのね。最初は、曲が先だったんですよ。
石橋:いつも思うんですけど、詞先なんですか?曲先なんですか?
松本:ほぼ、日本の業界的には曲先が多いんです。
石橋:曲先ですよね。
松本:でも結局ね「木綿のハンカチーフ」が詞先でヒットしちゃったから
石橋:え!「木綿のハンカチーフ」って詞先なんですか?
松本:はい。それでね、ヒットしちゃったから、そこからあとは京平さんが「松本くん、詞をちょうだい」って言うようになっちゃったの。
石橋:あの辺の、「赤いハイヒール」「しあわせ未満」「九月の雨」は全部…。
松本:全部詞先です。
石橋:松本さんが詞を書いて、それに筒美京平さんが曲をつけるんですか。
松本:その方がイメージが広がるみたい。京平さんの場合は。
石橋:こないだ、政治家の石破茂さんが(この番組に出て)、太田裕美さん大好きで「何はなくとも『九月の雨』」って言ってましたよ。
松本:あれはもう、本当にいい曲ですよね。
「熱があったらいい曲ができない」作曲家・筒美京平とは
石橋は「筒美さんもすごいカッコイイ人だって言いますよね」と、作曲家・筒美京平についても聞いた。
ある時、松本が筒美の家に出向くと、何件も電話をして仕事を断っていたという。
松本:僕らって受注戦争だから、仕事を断るって大変じゃないですか。断ったらもったいないなという気持ちもあるでしょ。だから「何でそんなに断るんですか?」って聞いたら「熱があって下がらないから」って。でも「ひと月分の仕事、全部断るかな?」と思ってさ。
石橋:そんなに断っちゃうんですか。
松本:「どうして」って聞いたら「熱があったら良い曲ができないじゃない」って言うの。普通だったら、こんだけ熱があっても僕は頑張るって曲書いちゃうじゃない?プロの名言だなと思って、それ以来参考にしていますけど。
石橋:「熱があったら…」。
松本:「良い曲ができない」。太田裕美の時は、コンビでデビューからずっとやっててね。仲良くやってたんだけど、京平さんは岩崎宏美もやっていて、そっちは(作詞家の)阿久悠と組んでやっていて。「次のシングルはどんなのを作ろうか」って話しているときに「阿久さんはね…」って阿久さんをほめるんですよ。向こうをほめてこっちを落とすから、だんだん僕が不機嫌になっていく(笑)。
石橋:筒美さんはすごいんですね、ライバル両方やっちゃうんですね。
松本:そう。そうやって人間を動かしていくんですよ、彼は。なかなかのテクニックですよ、それは。
ほか、はっぴいえんど解散後にスタジオミュージシャンをやっていたメンバーとのエピソードや、飲食店で秋元康と遭遇した話なども。
最後には、松本が70年代に手掛けた曲で一番気に入っている曲は「九月の雨」と明かし「石破さんと一緒だ」と盛り上がった。
次回9月1日(火)も松本を迎えた後編を放送する。
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August 25, 2020 at 02:00PM
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作詞家・松本隆 70年代に手掛けたお気に入りの1曲は…?伝説のバンド・はっぴいえんど解散秘話も - フジテレビュー!!
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