英紙の衝撃報道「スーパーの鶏肉が森林破壊につながっている」
英ガーディアン紙が2020年11月25日に公開した鶏肉消費に関わる衝撃的な報道が英国を中心に波紋を広げている。 昨年、ブラジル・アマゾンの熱帯雨林の森林火災問題がソーシャルメディアなどで広く話題となった。覚えている人も多いはずだ。ガーディアン紙が報じたところでは、このアマゾンの森林破壊と英国のスーパーやファストフード店で提供されている鶏肉が強く関連しているというのだ。 どういうことか。 英国のスーパーやファストフードで提供されている鶏肉は、その飼育過程で餌として大豆が与えられている。この大豆の生産地がアマゾンであり、生産拡大のために、森林が焼き払われ、これまでに少なくとも800平方キロメートルに及ぶ森林が消失したという。東京23区(627平方キロ)よりも広い面積だ。
英国の著名テレビプレゼンターのクリス・パッカム氏は、この報道に触れ、消費者は自分が食べる食品に関してもっと情報を得るべきだと指摘。また、スーパーで購入するものが自然破壊につながっているという事実に目を向ける必要があると語った。 一般消費者の間で環境意識が高まっている中、自然破壊につながる食品を避ける動きが出るのは想像に難くない。ガーディアンの記事もフェイスブックなどで広く拡散されており、消費者のプラスチック利用に対する意識を変えた「アッテンボローエフェクト」と同様のムーブメントにつながる可能性もある。
細胞ベースの人工肉、世界初シンガポールで販売承認
ガーディアン紙の報道で衝撃を受けた消費者は少なくないはず。その衝撃報道の1週間後、またも鶏肉に関する衝撃報道が発表され、消費者を驚かせた。しかし、ポジティブな意味でだ。 その報道とは、シンガポールで世界で始めて「細胞ベースの人工鶏肉」の販売が許可されたというもの。上記ガーディアンのアマゾン森林破壊記事のフェイスブック・シェア数が8000回だったのに対し、人工鶏肉記事のシェア数は1万3000回に達した。既存の鶏肉消費が森林破壊につながるという事実を知り、今後の鶏肉消費をどうすべきか悩んでいたところに、ソリューションが飛び込んできた格好だ。 この細胞ベースの人工鶏肉、巷で話題のプラントベースの人工肉とは異なるもの。プラントベースの人工肉とは、植物性たんぱく質などから生成された肉のような食感の物質。一方で、細胞ベースの人工肉とは、鶏の細胞から食肉部分だけを生成したもの。つまり、食感は鶏肉と全く同じの人工肉だ。一方で、鶏の飼育などが必要なく、大豆利用による森林破壊を心配せずに食すことができる。 この人工鶏肉を製造しているのは米国拠点の企業Eat Just。細胞ベースの人工肉を製造している企業は、Eat Justのほかにも多数存在しており、シンガポールでの販売許可を皮切りに、世界各地で増えてくることが見込まれる。
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