任天堂より、2021年6月25日に発売予定のNintendo Switch用ソフト『マリオゴルフ スーパーラッシュ』。
本作は、マリオやクッパなど『スーパーマリオ』シリーズに登場するキャラクターを操作するゴルフゲーム。『マリオゴルフ』シリーズは過去にファミリーコンピュータやニンテンドーゲームキューブなどで発売されていた人気作で、『マリオゴルフ スーパーラッシュ』は約7年ぶりとなるシリーズ最新作だ。
本稿では、新要素を追加してパワーアップした最新作『マリオゴルフ スーパーラッシュ』のレビューをお届け。
シンプルだけど奥が深い、初めてでも簡単にできるゴルフ体験
ゴルフというスポーツは知っていても、「ルールが複雑そう」「専門用語がわからない」と思っている人も多いのではないだろうか。
筆者も、ゴルフの仕組みをまったくわかっておらず「なんとなくゴルフのルールって難しそうだな」と思っていたのだが、本作をプレイしたことでがらりと印象が変わった。思っていたよりも簡単だし、おもしろい！
本作の操作は非常にシンプル。まず、飛ばしたい距離に応じたクラブを選んで、打ちたい向きを決める。そして、打つ力を表すパワーゲージが自分の打ちたい部分までたまったらボタンを押す。ゴルフボールを打つのに必要な操作はこれだけだ。
もちろん狙ったところに打とうとすると、風の強さや向きの影響を考えたり、狙った場所にボールが落ちるようにパワーゲージを止める位置を調整したりと、少しの練習や経験が必要になってくる。
とは言うものの、初心者だった筆者も数ラウンドほどプレイしただけで、「西向きでこのくらいの風なら、通常より強く、少し右側に向かって打とう」というように、多少は風が読めるようになっていた。（と、ちょっとかっこいいことも言いたくなるくらい操作が簡単です）
画面を見ただけで、どんな状況かわかりやすいのももちろんだが、何より狙った場所にボールが落ちるととても気持ちいい。
ただボールを打てばいいだけではない、ということも理解しつつ、上達を感じながら楽しくプレイできるはずだ。
ただ、これだけではスタンダードなゴルフが楽しめるふつうのゴルフゲームと変わらない。やはり、マリオたちが活躍しているスポーツゲームと言えば、特殊なショットを打てる“スペシャルショット”だ。当然、本作にも登場している。
いわゆる必殺技のようなものである“スペシャルショット”は、キャラクターによってコースを凍らせたり、爆弾を投げてほかのボールを吹き飛ばしたりと効果はさまざま。
“スペシャルショット”を打つには、コースでカップインさせたりすることでたまる“スペシャルゲージ”が必要で、連続で打つことができない分、効果は非常に強力。まさに一発逆転を狙える必殺の“スペシャルショット”！
もちろん“スペシャルショット”の効果範囲にほかのボールが含まれるように打たなければならないのだが、わざわざ自分のコースを外れてまで打つ必要もない。ゴルフは少ない打数でカップにボールを入れるのが目的のスポーツであるうえ、目指すゴールは同じ。ということで、意外と“スペシャルショット”の範囲に巻き込むのは難しくないというわけだ。
また、ボタン操作に加え、Joy-Conをクラブに見立てて、実際に振ることでもプレイできる。筆者がプレイした感じでは、ボタン操作でするより難しいと感じたものの、それがよりリアルにクラブを持ってゴルフをしているような感覚となり、「ゴルフってこんな感じなんだな」という体験ができた。（実際にゴルフをしたことはないので、あくまでイメージの話だが）
筆者のように、ゴルフ自体が初めてという方は、まずボタン操作でプレイに慣れてから、Joy-Conを振ってのスイング操作に切り替えてのプレイがおすすめだ。
カップ数やスピードを競う特殊なルールも
本作では、主にコンピュータやほかのプレイヤーと戦える“フリー対戦”と、ひとりでスタープレイヤーを目指す“アドベンチャーモード”の2種類が楽しめる。
“フリー対戦”では、ふつうのゴルフのようにカップインするまでの打数を競う“スタンダードゴルフ”、カップインするまでの時間を競う”スピードゴルフ”、カップを3つ先取すると勝ちになる“カップ争奪戦”の3種類が用意されている。
残念ながら今回はオンラインプレイはできなかったが、ほかのユーザーと対戦することも可能だ。みんなで集まってわいわいと、オンラインで通話をしながらなど、友だちどうしでプレイするとより盛り上がれるのではないだろうか。
※オンラインプレイを楽しむには、有料サービス“Nintendo Switch Online”への加入が必要。
飛距離を優先するか、自らが走る速さを優先するか悩ましい
“スピードゴルフ”は、上述したようにカップインするまでの時間を競うものだが、ただ時間が短ければいいというわけではない。というのも、1打ごとに30秒加算され、カップインするまでの時間＋打った回数×30秒がそのコースでかかった時間となるからだ。
要するに、いかに少ない打数でカップインできるかも大事になる。さらに、打った後にボールがある地点までの移動も操作することになるため、一目散にボールを目指すのか、途中でほかのプレイヤーを妨害するのかなど、プレイヤーや状況によってプレイスタイルが変わってくるのがおもしろい。
キャラクターによって能力が違うため、パワーが強いキャラクターで打数を減らすのもよし、足が速いキャラクターで移動時間を短くするのもよしと、いろいろな楽しみかたができるのがポイント。
ちなみに脳筋な筆者としては、いろいろと試した結果、パワーが強いキャラクターで打数を減らしていくプレイスタイルがしっくりきた。
カップを狙う順番がカギとなる“カップ争奪戦”
“カップ争奪戦”では、コースにある9つのカップのうち、最初に計3つのカップにボールを入れた人が勝ちになるというルール。誰かがボールを入れたカップにはもうボールを入れられないので、時間が計られるわけではないものの、走る速さや丁寧なショットが求められるのはスピードゴルフと同様だ。
また、コースには、ドッスンを始めとした障害物が用意されているので、狙ったところに打つのも難しくなっている。
この“カップ争奪戦”、難しいけどおもしろい。ほかのルールで培った能力や経験を総動員する必要があり、ただ打っているだけでは勝てないのだ。
少し練習して上達しても、どのカップから狙うかによって結果がまったく違うので、毎回その場にあった試合運びをしないと勝利はつかめない。走る速さ、ショットの丁寧さ、カップを狙う順番など、さまざまなスキルのバランスが必要であるため、一筋縄ではいかないというのが“カップ争奪戦”のポイントでもあり、おもしろさでもある。
ひとりのゴルフ選手としてスタープレイヤーを目指せ
ひとりプレイ用の“アドベンチャーモード”は、自身が作ったMiiを使用してスタープレイヤー、いわゆる一流プレイヤーを目指すモード。Miiとしてマリオの世界に入り、キャラクターとの交流を楽しむことができる。
もちろんゴルフをするのが基本となるのだが、ほかのキャラクターと会話したり、困っている人を助けたり、マリオの世界の住民としてさまざまな体験もできるのが“アドベンチャーモード”の魅力だ。
ゴルフについても、最初に操作方法の説明をしてくれるため、チュートリアルのような感じでプレイするのもあり。練習できる場所もあるので、思う存分練習してから、コンピュータやほかのプレイヤーとの対戦に備えるのもいいかも。
また、“アドベンチャーモード”のストーリー上で大きな目標となる"スタープレイヤー"を目指すには、ゴルフの試合や大会に出てよい結果を残す必要がある。
最初は研修生から始まり少しずつ成長していくのだが、それは形だけのものではなく、実際にMiiの能力を成長させられるのも“アドベンチャーモード”ならでは。
試合や課題を達成するとレベルという形でMiiが成長していき、そのレベルに応じてもらえるポイントを振り分けて、好きな能力を成長させることができる。能力はいくつかの項目にわかれているため、ポイントの割り振りかたで自分の目指すプレイヤーに育成できるというわけだ。
最初は頼りない能力でも、さまざまな経験を経て実際に成長していくことでゴルフが上手になっていくのは、本当にその世界でゴルフをプレイしているよう。
また、この“アドベンチャーモード”で育てたMiiは、フリー対戦で対戦するときにも使用できる。せっかく育てたMiiが無駄にならないのもうれしいところ。
ゴルフのルールを知らなくても存分に楽しめる
プレイしてみて、本作はゴルフの遊びかたを知らない人でも手軽に楽しめる作品だと感じた。操作はシンプルで、プレイしているうちに自然と覚えられるため、操作を覚えるのに時間がかかることもない。みんなでプレイすると絶対盛り上がるゲームなことは間違いないだろう。
とくにJoy-Conをクラブを振るようにしてプレイするスイング操作では、本当にゴルフをしているような体験もできる。ゴルフをしたことがなくても、実際にゴルフをしている気分が気軽に味わえるため、ぜひ一度体験してみてほしい。
また、ただゴルフが楽しめるのではなく、派手なアクションでの爽快なプレイも楽しめるうえ、スタンダードなゴルフを発展させたさまざまなルールで遊べるのもポイント。
自身の分身となるMiiを使用したひとりプレイ用“アドベンチャーモード”もあり、ひとりでも何人でも遊べ、『マリオゴルフ』シリーズに触れたことがない人でも楽しめるゲームになっていること間違いなし。
からの記事と詳細 ( 『マリオゴルフ スーパーラッシュ』レビュー。速さを競う“スピードゴルフ”にMiiを育成できる“アドベンチャーモード”など一味違ったゴルフが楽しめる！ - ファミ通.com )
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