
カシャッ、カシャッ――。静かな館内に似合わないシャッター音が響く。奈良国立博物館で開催中の特別展「奈良博三昧」を見学した。至高の仏像や工芸品が並ぶこの展示会の特徴は、全ての作品が撮影OKという点だ。
日本では多くの博物館が、展示品の写真撮影を禁止している。特に、寺から寄託された仏像などを展示する場合、信仰の対象になっている像を撮影されるのは寺の関係者が嫌がる。しかし、今回の展示品は全て奈良博の所蔵品。許可を得る必要もなかった。
スマートフォンやSNSの普及によって、展示品を撮影するのは世界的に博物館の新たな楽しみ方になっているという。奈良博の吉澤悟・学芸部長は「新たなファンを獲得したい」と狙いを語る。来館者にも好評らしい。
記者もスマホで撮影してみた。仏像の衣の美しいひだ。工芸品の繊細な細工。「映える」カットを写して歩くのは楽しく、気づけば190枚も撮影し、2時間以上も館内で過ごしていた。
帰宅してから写真を見返すのも面白かった。例えば、地獄の情景を描いた絵巻「地獄草紙」。
特別展は9月12日まで。お気に入りの一枚を撮影しに、訪れてみてはどうだろう。(土谷武嗣)
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