◆タナダユキ監督のドラマに出演が決まった時の心境から聞かせてください。 とてもうれしかったです。20代のころ、蒼井優ちゃん主演の映画「百万円と苦虫女」を観て、主人公の鈴子が、無垢で自然体ですごく魅力的で。しかも主人公の魅力がじんわり現れている感じがして、それ以降もタナダさんの作品を見るたびに、私もこんなふうに日常を演じたいなって、ずっと思っていました。 ◆不動産会社勤務で、プライベートでは大学時代から付き合っている彼との恋愛に悩んでいる…そんなごく一般的な和田かえという女性を演じる上で意識したことはありますか? かえに関してタナダさんからは、このドラマに登場する人物の中で、一番一般的な感覚を持った人でいてほしいと言われました。そして今まで見たことがない松本まりかを見せたいと。私は今回のようなノーマルな役をあまりやったことがなかったので、監督、相手役の方、スタッフの皆さんに委ねる部分が多かったですね。 ◆実際にタナダ監督の演出で“日常”を演じてみて、いかがでした? すごく楽しかったです。どのシーンでも描かれているのは何気ない日常で、人とちょっとしたコミュニケーションを取ることによって心が動くんです。身近にあるただの日常がこんなに楽しくて、幸せなことだったんだって、あらためて気づかされました。実際に日常で多くの人と深く接することって、そんなにないじゃないですか。でも少しだけ交わった人との間にも、自分に影響を与えるものがあるんだって思いましたね。私はこれまで感情をすり減らすような劇的な役を多く演じてきたけど、そういう人生じゃなくても、何かに感動したり、幸せを感じたり、傷付いたりすることは、日々あるわけですよね。愛だの恋だので、いまだに悩んだりするけれど、そういうことを感じられるのが人生の醍醐味なんだと。それがない人生なんて味気ないんじゃないかって、そう考えると人生って楽しんだなって、しみじみ思いましたね。 ◆飲食店で学生時代の仲間たちと飲んだり、不動産会社を訪れる人の決断にこっそり喜んだり、日常で見せるいろんな松本さんの表情がとても印象に残りました。それもタナダ監督によって引き出されたものなのでしょうか。 タナダ組の作る雰囲気がこの作品に合っていたんじゃないかなと思います。そのおかげで、多くの発見がありました。 ◆どんな発見があったんですか? 人に頼ることって、ちゃんと自立している人同士じゃないとできないと思うんです。自分も自立していないと多分依存になってしまうから。だから信頼した人に頼ることの大事さをすごく知りました。頼るって、人と繋がることでもあると思います。それが相手の重荷になってはいけない。相手が「自分はこうしたい。だからそこは頼ってほしい」と言うなら、お互い頼って頼られてというのが、人と人との良い繋がりなのかなって。タナダさんとお仕事をして、そういうコミュニケーションの方法を見つけられた気がします。
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