SNSの世界は、人生の中でもきらびやかな一コマが映し出されたパーフェクトな写真で溢れている。一方、近年は「号泣自撮り」のように、自分のリアルな感情をさらけ出す投稿も増えている。
2021年11月、アメリカのスーパーモデル、ベラ・ハディッドが、号泣している自撮り写真をInstagramに投稿した。「これがここ数年の私の毎日、毎晩」と綴り、自分のメンタルヘルスとの闘いについて打ち明けて話題となった。
1月中旬に公開されたWall Street Journalで彼女は、号泣自撮りが苦痛を乗り越えるために役立っていると話し、写真が自身の痛みを証明し、精神的な悩みを医師や母親に伝えることができたと述べた。
「母や医師が私の調子を聞いてくるとき、文章で送り返す代わりに、写真を送るんです。自分がどう感じているか、説明できなかったから」。
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また、Instagramで写真を共有することで、孤独感が減少すると語った。
幸い規則正しい生活によってハディッドはうつ病を克服し、不安の扱い方を学んでいるという。
この投稿に対し、ハディッドのファンの多くは彼女の健康を願い、正直さを称賛した。また、多くの人が人生の良い部分にさらに加工をかけ投稿する中、人生の私的な部分を公開するのは斬新だ、という声もあった。
実際、号泣自撮りは落ち込んでいる時に役立つのだろうか?それとも、他にもっと効果的に感情を伝える方法があるのだろうか?
イギリスの心理療法士であるナターシャ・ペイジ氏は、このコミュニケーション方法は有効的になりうるという。
ペイジ氏はハフポストUK版に「ハディッドさんが、自分のニーズを伝えるのに役立つと感じる方法を見つけたことは素晴らしいことです。自分の弱さを見せることは、メンタルヘルスに悩む他の人の助けにもなります。しかし、誰もが自分の感情を表現することを好むわけではありません」と話す。
メンタルヘルスは複雑で、助けを求めたり相談したりするのを困難に感じる人もいる。「私たちは皆それぞれユニークで、自己表現の方法も異なります。テクノロジーやソーシャルメディアが発達し、人々は常に何かを投稿し共有していますが、それは人生の最高の部分であることが多いです。だから、もし彼女が自分のネガティブな感情をこの方法で共有できることが心地いいのなら、それは良いことだと思います」。
一方、号泣自撮りを投稿することには、注意点もあるという。「時に、怒りや悲しみなど、感情が高ぶっている時は衝動的に行動してしまい、後で後悔するような投稿をしてしまうことがあります。一度インターネット上にあがると、消してももう後には戻れません。一般公開してしまったものに関しては特にです」。
ペイジ氏は、メンタルヘルスの問題を抱えている患者さんへのアドバイスの一つとして、他にも言葉のいらない方法があると言う。「家族が相手の場合、何か安全なモノを家のどこかに置き、それが違う場所に動いていたら、本人は苦しんでいて、話をする必要があるかもしれない、というサインにするのです」。この方法は、話すのが苦手だけれど、周りに自分が苦しんでいることを分かってほしい人にとって有効的だという。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。
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