世界的なひまわり油の生産量のほぼ半分を担ってきたウクライナで戦争が続き、食用油の品薄現象が起きている。最近は英国やスペイン、ギリシャ、トルコ、ベルギーなど欧州各国の大手スーパーでは、1人当たり購入可能な食用油の個数を2、3本に制限していると、米紙ニューヨークタイムズ(NYT)などが先月30日付で伝えた。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)傘下の研究所である「経済複雑性観測所」(OECD)によると、全世界のヒマワリ油生産の46%を占めるウクライナが、2月末に始まった戦争でヒマワリの種の収穫作業が事実上中断されている。さらに、世界最大のパーム油生産国であるインドネシアまで自国物価の上昇を防ぐため、パーム油の輸出を制限し、世界市場における食用油の供給量はさらに減少した。
食用油の輸入量の83%をウクライナに依存している英国では、品薄現象が本格化している。英国の代表的スーパーマーケットチェーンであるテスコの食用油の陳列台には、「食用油の販売量を1人当たり3本に制限する」という案内文が貼られた。英国の他のスーパーマーケットチェーンのウェイトローズやモリソンズは、最大2本までに制限した。
英食品基準庁(FSA)は先月29日、「食品業界は、英国内のひまわりの種は数週間以内に底をつくものと見ている」と明らかにした。これを受け、食品業界ではひまわり油の代わりにパーム油と豆油を使用し、バイオディーゼル市場で主に使われていた菜種油を食用に転換するなどの対策を講じている。
他の国々はまだ備蓄分で持ちこたえているが、近いうちに食用油不足事態は拡大する見通しだ。NYTは、「食用油価格の高騰により、製パン業界も混乱している」とし、「様々な料理に広く使われる食用油の供給難は、米食品市場全般に影響を与え、物価上昇にさらに拍車をかけるだろう」と指摘した。
任寶美 bom@donga.com
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