<プロボクシング:WBC世界バンタム級王座統一戦12回戦>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ
WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(23=大橋)が正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)に0-3の判定で敗れ、陥落した。過去日本人暫定王者の王座統一戦は3戦3敗。ジンクスを破れず、メインイベントの兄尚弥に勝利のバトンをつなげなかった。
パワーもうまさも、スタミナもある。そして、苦手なサウスポー。井上拓にとってウバーリは「分が悪い」と本音を漏らすほど過去最強の相手だった。実戦は昨年12月30日以来約11カ月。リーチ差は7センチ。さらに辰吉丈一郎ら過去に暫定王者で統一戦に挑んだ日本人は3人とも失敗。プロ16戦無敗12KOの強敵に夢は阻まれた。
長いブランク期間でサウスポー対策を十分に練ってきた。前回の試合後すぐに左対策を開始。さらに試合が決まってからは、3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコの練習パートナーでもある米国アマ選手ラミドやIBF世界同級王者ダスマリナスら、世界トップクラスのサウスポー日本に呼び寄せ、スパーリングを敢行。父真吾トレーナーが「最低でも五分以上(に戦える)」と認めるまで成長し、リングに立った。
兄尚弥とともに戦うのは10度目。昨年12月30日に亀田3兄弟以来日本人2組目の兄弟世界王者を達成し、ダブル世界戦という夢も今回かなった。兄と比べられるのは「小さい頃からずっと。宿命」。そんな境遇に嫌気がさすこともあったが、「ナオがいたからこそ今の自分がいる」と自分を引き上げてくれる存在に感謝する。勝って暫定王者が取れて初めて「スタートだと思っている」。兄に王者として並ぶことはかなわなかった。【高場泉穂】
◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年(平7)12月26日、神奈川県座間市生まれ。4歳から父真吾さんにボクシングの手ほどきを受け、小学1年から本格的に競技開始。11年高校総体ピン級優勝。12年高校選抜ライトフライ級優勝。13年12月に大橋ジムからプロデビュー。15年7月に東洋太平洋スーパーフライ級を獲得し、2度防衛の後返上。18年12月にWBC世界バンタム級王座を獲得。趣味は爬虫(はちゅう)類飼育で、現在のペットはヒョウモントカゲモドキのロビン。164センチの右ボクサーファイター。血液型A。
2019-11-07 11:46:00Z
https://www.nikkansports.com/battle/news/201911070000756.html
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