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Friday, January 29, 2021

スーパーヘビー級4Kノートが強烈な性能。マウス「DAIV 7N」をレビュー - PC Watch

マウスコンピューター「DAIV 7N」37万9,800円(税別)

 マウスコンピューターは、デスクトップパソコン向けCPU「Core i7-10700」とモバイル向け上位GPU「GeForce RTX 2080 SUPER」を搭載した同社のフラグシップ17.3型ノートパソコン「DAIV 7N」を2020年12月10日に発表、同日より販売を開始した。

 パワフルなCPUとGPUを採用しているだけでなく、標準で4Kディスプレイを搭載。重量は約4.65kgとスーパーヘビー級だが、高性能を持ち歩けるマシンとしてプロフェッショナルクリエイターにとって魅力的なモデルに仕上がっている。今回本製品のベースモデルを借用したので、実機レビューをお届けしよう。

10コア20スレッドのCore i9-10900Kも選択可能

 標準構成は1モデルのみ。OSは「Windows 10 Home 64bit バージョン2004」、CPUは第10世代(Comet Lake)の「Core i7-10700」(8コア16スレッド、2.9~4.8GHz、TDP 65W)、ディスクリートGPUは「GeForce RTX 2080 SUPER」を採用。メモリは32GB(DDR4-2666 SDRAM、4スロット、最大128GB)、ストレージは1TB(PCIe NVMe SSD)を搭載している。

 本製品購入時にはCPU、メモリ、M.2 SSDなどをカスタマイズ可能。外付けストレージ、キーボード、マウスなどの周辺機器も一緒に購入できる。

おもなカスタマイズ例

  • CPU
    Core i7-10700 / Core i7-10700K +9,800円 / Core i9-10900K +2万9,700円
  • メモリ
    32GB / 64GB +2万8,800円 / 128GB +8万4,800円
  • M.2 SSD
    1TB(M.2 PCIe接続)
    2TB(M.2 PCIe接続) +2万円
    2TB(1TB×2、M.2 PCIe 3.0 x4接続) +3万9,800円
    4TB(2TB×2、M.2 PCIe接続) +6万9,600円
    3TB(1TB×3、M.2 PCIe 3.0 x4接続) +7万4,500円
    2TB(RAID 5、1TB×3、M.2 PCIe 3.0 x4接続) +7万4,500円
    6TB(2TB×3、M.2 PCIe接続) +11万9,200円

 ディスプレイは17.3型4K液晶(3,840×2,160ドット、255ppi、非光沢)で「Adobe RGB比100%」が謳われている。

 ネットワーク機能はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)に対応しているだけでなく、有線LANが2.5GBASE-Tをサポート。有線ネットワーク経由でNASや共有ドライブと大容量データをやりとりするさいに恩恵を受けられるわけだ。

 バッテリは97Whと大容量だが、バッテリ駆動時間は約4.5時間とされている。約4.65kgという重量からモバイル用途は現実的ではないが、オフィスや自宅で移動して利用するなら十分なバッテリ駆動時間が確保されている。

【表1】DAIV 7Nのスペック
製品名 DAIV 7N
型番 20107N-CML
OS Windows 10 Home 64bit バージョン2004
CPU Core i7-10700(8コア16スレッド、2.90~4.80GHz、TDP 65W)
GPU Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.20GHz)
GeForce RTX 2080 SUPER
メモリ DDR4-2666 SDRAM 32GB(4スロット、最大128GB)
ストレージ 1TB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ 17.3型4K液晶(3,840×2,160ドット、255ppi、輝度非公表、Adobe RGB比100%、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)
通信 Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)、Bluetooth 5、2.5GBASE-T LAN
インターフェイス Thunderbolt 3(DisplayPort対応)、USB 3.2 Gen 2x2 Type-C(20Gbps)、USB 3.1 Type-C (DisplayPort対応)、USB 3.1×3、HDMI、Mini DisplayPort×2、SDメモリーカードリーダ、ヘッドセット、マイク入力・S/PDIF
カメラ 100万画素
バッテリ容量 97Wh
バッテリ駆動時間 約4.5時間
バッテリ充電時間 非公表
本体サイズ 399×319.8×44.5mm(幅×奥行き×高さ)
重量 約4.65kg
セキュリティ Windows Hello対応指紋認証センサー
同梱品 ACアダプタ×2、電源ケーブル×2、ACアダプタ用ホルダー、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書、CLIP STUDIO PAINT DEBUTシリアルナンバー、色域出荷データシート)
カラー ブラック
価格 Officeなし : 37万9,800円(税別)
Office Home & Business 2019つき : 40万4,800円(税別)
パッケージには本体以外に、ACアダプタ×2、電源ケーブル×2、ACアダプタ用ホルダー、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書、CLIP STUDIO PAINT DEBUTシリアルナンバー、色域出荷データシート)が同梱されている

デスクトップパソコン用CPUの性能を遺憾なく発揮

 最後にベンチマークを実施する。今回比較対象機種としては第10世代(Comet Lake)の「Core i7-10875H」(8コア16スレッド、2.3~5.1GHz、TDP 45W)を搭載する「DAIV 5N」を採用した。下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表3】検証機の仕様
DAIV 7N DAIV 5N
CPU Core i7-10700(8コア16スレッド、2.9~4.8GHz) Core i7-10875H(8コア16スレッド、2.3~5.1GHz)
GPU Intel UHD Graphics 630(350MHz~1.20GHz)、NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPER Intel UHD Graphics(350MHz~1.20GHz)、NVIDIA GeForce RTX 2060
メモリ DDR4-2666 SDRAM 32GB DDR4-2666 SDRAM 16GB
ストレ-ジ 1TB PCIe NVMe SSD 512GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ 17.3型、3,840×2,160ドット(255ppi) 15.6型、1,920×1,080ドット(141ppi)
TDP 65W 45W
OS Windows 10 Home 64bit バージョン2004 Windows 10 Home 64bit バージョン1909
サイズ(幅×奥行き×高さ) 399×319.8×44.5mm 355.5×236.7×19.9mm
重量 約4.65kg 約1.77kg
【表4】ベンチマ-ク結果
DAIV 7N DAIV 5N
PCMark 10 v2.1.2506
PCMark 10 Score 7,223 5,290
Essentials 10,220 9,270
App Start-up Score 14,575 10,888
Video Conferencing Score 7,895 8,385
Web Browsing Score 9,279 8,728
Productivity 8,814 8,301
Spreadsheets Score 10,022 10,297
Writing Score 7,752 6,693
Digital Content Creation 11,353 5,221
Photo Editing Score 15,823 10,691
Rendering and Visualization Score 15,730 3,336
Video Editting Score 5,880 3,992
PCMark 10 Modern Office Battery Life 3時間6分 5時間34分
3DMark v2.16.7113
Time Spy Extreme 5,123
Time Spy 10,973 6,487
Port Royal 6,750
Fire Strike Ultra 6,396 3,938
Fire Strike Extreme 12,475 7,795
Fire Strike 22,638 15,624
Wild Life 61,517
Night Raid 58,223 39,152
Sky Diver 41,275
Cinebench R23.200
CPU(Multi Core) 12,157 pts
CPU(Single Core) 1,248 pts
Cinebench R20.060
CPU 4,817 pts 4,024 pts
CPU(Single Core) 486 pts 482 pts
Cinebench R15.0
OpenGL 183.71 fps 141.04 fps
CPU 1,996 cb 1,762 cb
CPU(Single Core) 205 cb 202 cb
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリ-ン 18,876(非常に快適) 12,969(非常に快適)
1,920×1,080ドット、標準品質、フルスクリ-ン 14,773(非常に快適) 8,881(快適)
3,840×2,160ドット、標準品質、フルスクリ-ン 5,773(やや快適) 3,269(普通)
SSDをCrystalDiskMark 8.0.0で計測
1M Q8T1 シーケンシャルリード 2,450.580 MB/s 1,862.294 MB/s
1M Q8T1 シーケンシャルライト 1,980.616 MB/s 1,561.895 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルリード 2,026.196 MB/s 1,651.753 MB/s
1M Q1T1 シーケンシャルライト 1,983.125 MB/s 1,478.169 MB/s
4K Q32T16 ランダムリ-ド 444.883 MB/s 370.363 MB/s
4K Q32T16 ランダムライト 347.241 MB/s 957.897 MB/s
4K Q1T1 ランダムリ-ド 50.713 MB/s 31.268 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト 175.938 MB/s 126.634 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然 3分42秒09 4分27秒25
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps 1分31秒23 1分18秒31

 DAIV 7NはCore i7-10700、比較対象のDAIV 5NはCore i7-10875H搭載しているが、TDPの差がCPUベンチマークのスコアに如実に表われた。DAIV 7NはDAIV 5Nに対して、Cinebench R20.060で約1.2倍、Cinebench R15.0で約1.13倍のスコアを記録している。

 またディスクリートGPUの性能差も大きい。DAIV 7NはGeForce RTX 2080 SUPER、DAIV 5NはGeForce RTX 2060を搭載しており、DAIV 7Nは3DMarkで最大約1.69倍、FINAL FANTASY XV BENCHMARKで最大約1.77倍のスコアを記録している。

 なお実アプリのAdobe Premiere Pro CCでDAIV 7NがDAIV 5Nより処理に約1.16倍の時間がかかっているが、これはベンチマーク実施時にGeForce RTX 2080 SUPERのGPUドライバに対応していなかったため。Adobe Premiere Pro CCが対応すれば処理時間は大幅に短縮されるはずだ。

ベンチマークはWindows 10の電源モードを「最も高いパフォーマンス」、「CONTROL CENTER 3.0」のPower Modesを「パフォーマンス」、FAN SPEED SETTINGを「最大」にして実施している
ベンチマーク実施時にAdobe Premiere Pro CCがGeForce RTX 2080 SUPERのドライバに対応していなかったため、「DAIV 7N」は本来の性能を発揮できなかった

 なお、ベンチマークとはべつに、TMPGEnc Video Mastering Works 7で5分の4K動画をエンコードしたさいのCPU温度、クロック周波数、システム全体の消費電力をチェックしてみたが、一度CPU温度が99℃に達したあと、大幅にクロック周波数が下がったが、その後CPU温度は64℃前後、クロック周波数は3400MHz前後で推移した(室温20.4℃で測定)。システム全体の消費電力もそれに連動した動きを見せている。高負荷時に3,400MHz前後で安定動作しているので、効率的に冷却できていると言えよう。

TMPGEnc Video Mastering Works 7で、5分の4K動画をエンコードしたところ、1分5秒後にCPU温度が99℃に達し、クロック周波数が大幅に下がった。以降は、CPU温度は64℃前後、クロック周波数は3,400MHz前後で安定動作している
アイドル時の消費電力は37.0W。TMPGEnc Video Mastering Works 7実行中の最大消費電力は306W。クロック周波数が4300MHz前後の間の消費電力は260W前後だったが、その後クロック周波数が3,400MHz前後に低下すると消費電力も143W前後まで下がった
FINAL FANTASY XV BENCHMARK実行中にサーモグラフィーカメラで計測したキーボード面の最大温度は35.8℃(室温19.0℃で計測。排気で温められたテーブル面を除く)
底面の最大温度は48.4℃
ACアダプタの最大温度は37.2℃

プロフェッショナルクリエイターの要求に応えるハイエンドマシン

 「DAIV 7N」はスーパーヘビー級のノートパソコンだ。2つのACアダプタと合わせれば約6.89kgに達するので、当然のことながら毎日携帯できるマシンではない。

 しかし、デスクトップパソコン向けCPU、モバイル向け上位GPU、そしてAdobe RGB比100%の17.3型4Kディスプレイと、プロフェッショナルクリエイターの高い要求に応える処理性能と画質を備えている。ハイエンドデスクトップクラスの性能を持ち歩きたい方に、「DAIV 7N」は絶好の1台と言えるだろう。

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