阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは31日、関西地盤の食品スーパーの「関西スーパーマーケット」を子会社にすると発表した。H2O傘下のスーパー2社と12月に経営統合させ、規模を広げて競争力を高める。コロナ禍で百貨店事業が低迷する中、スーパー事業を収益の柱に育てたい考えだ。
「関西最強の地域密着型食品スーパー連合をめざしたい」。H2Oの荒木直也社長は31日、関西スーパーの福谷耕治社長らと記者会見し、意気込みを語った。
H2Oは傘下に食品スーパーのイズミヤと阪急オアシスなどを持つ。今回の統合で売上高4千億円規模、243店舗の関西でトップクラスのスーパーになる。
H2Oは関西スーパーと2016年に業務提携し、株式(議決権ベース)を10・66%保有する筆頭株主だが、株式交換で今年12月に保有比率を58%まで引き上げる。H2Oの子会社となる関西スーパーが、イズミヤと阪急オアシスを傘下に収めるなどし、3社を経営統合する。関西スーパーの事業については新設の事業子会社に移し、関西スーパーは来年2月に中間持ち株会社になる。関西スーパーの東京証券取引所1部の上場は維持したいとしている。
H2Oと関西スーパーはポイントカードの共同利用などを進めてきたが、同じグループで調達や店舗開発・運営、ITシステムの構築などを一体的に進める。
荒木社長は「インフラコストを削減することが大事。規模をいかして固定費を下げる取り組みが重要になる」と強調。H2Oは7月、約150店舗を展開する食品スーパーの万代(東大阪市)とも共同調達などで業務提携している。規模のメリットでコストを抑える考えだ。
H2Oがスーパー事業の拡大を急ぐのは、コロナ禍で売上高のほぼ半分を占める百貨店事業が低迷しているためだ。店舗の休業を迫られるなどしたため、21年3月期の同事業の営業損益は19億円の赤字になったが、巣ごもり需要で食品スーパーを含む食品事業は大幅増益となり、42億円の黒字だった。百貨店事業は4~6月期も赤字が続いたままだ。
H2Oは関西で小売業でのシェアを高める「ドミナント化戦略」を掲げ、百貨店以外の事業の拡大を急ぐ。コンビニでは5月にローソンと提携し、98店舗を展開するコンビニ「アズナス」を「ローソン」に転換する。
先行きは厳しいスーパー事業、鍵は「効率化」
コロナ禍の巣ごもり需要で堅…
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