投機的バブルが追い風となり、価格高騰を続けるヴィンテージアイテム。アートピースであればあるほど、その取引は熱狂的コレクターが優先され、出回ること自体まれだ。各ジャンルの専門店に今注目のヴィンテージを教えてもらった。
ヴィンテージのなかでも別格の雲上界レーサー
スーパーカーと呼ばれるさらにその先には、雲上界のごとき、レーシングカーが存在する。フェラーリのF40LMやポルシェ962などだ。 「いずれも名だたるスーパーカーを凌ぐ物語と創業者やエンジニアたちの情念が宿ったクルマ。もはやクルマと形容するよりもアート・オブ・カーズという言葉がふさわしい超希少車です」とは、国内初のスーパーカーや旧車を扱うBHオークション運営会社としても知られるビンゴスポーツ武井真司社長。 それらアートピースと呼ぶべきクルマの販売は、当然売り手が買い手を選ぶ。通常のマーケットには出回ることのない至宝ばかりゆえ、価格も掲示できない。 真の価値がわかる方だけに、然るべきタイミングでその歴史的価値は引き継がれるのだ。 1969年式 フェラーリ 365 GTB/4 デイトナ コンペティション コンバージョン 価格応談 クラシック・フェラーリの人気モデル365 GTB/4デイトナは、FIAグループ4規約に従ってチューンされ、ル・マン24時間やデイトナ24時間などのビッグレースのGTクラスで大活躍を果たした。当時のレースヒストリーのある個体は、5億円前後のプライスがつく事例も多い一方で、レース歴がなくとも一定以上の評価を受けると思われる。
1984年式 フェラーリ 288 GTO エボルツィオーネ 価格応談 フェラーリの「元祖スペチアーレ」288GTOを、当時のFIAグループB規約に即し、耐久レース用に仕立て直したサーキット専用車両。のちの名作「F40」の実質的な試作車としても知られるが、レースへの参加はないまま終わった。生産台数は5台とされ、あまりの希少さゆえに市場価格は成立しないものの、10億円以上となる可能性が高い……!?
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