関西地盤の関西スーパーマーケットに対して株式公開買い付け(TOB)を実施する方針を示している首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)の二宮涼太郎社長が、ダイヤモンド編集部のインタビューに応じた。関西スーパーが公表したエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとの経営統合後の理論株価について、「実現に向けた具体的な説明がなく、『絵に描いた餅』と株主から危惧されるのではないか」と批判した。(ダイヤモンド編集部編集委員 名古屋和希)
「オーケー案上回る」と関西スーパー主張も
オーケー社長が投げかける疑問
「(統合後の関西スーパーマーケットの)1株当たりの理論価値は『2400~3018円』および『1787~3128円』となり、(オーケーの)TOB価格を上回る」――。
関西スーパーを高く“買って”くれるのはどこなのか。関西スーパー争奪戦で注目を集めるこの論点について、当事者である関西スーパーは9月24日、H2Oの買収提案をもとにした統合後の自社の理論上の株式価値を明らかにした。
これは関西スーパーとH2O傘下のスーパー、イズミヤと阪急オアシスの3社の統合事業計画をもとに、第三者機関として選定されたコンサルティング会社の2社が算出したものだという。
関西スーパーはこの株式価値が、オーケーが提示するTOB価格を上回るとし、H2O案が「関西スーパーと株主にとって最善の選択であると確信している」と改めて強調した。
関西スーパーの争奪戦を巡っては、オーケーがTOBを実施する方針を表明し、1株当たり2250円の買い取り価格を提示。一方、H2Oは非上場の傘下スーパー2社の株式を、関西スーパーの株式と交換することで3社を経営統合する計画を示している。
通常のTOB合戦では単純に価格を競う。ところが今回は両社の買収手法が異なるため、関西スーパーの株主にとって、両案の比較が難しくなっている。
今回、関西スーパーがH2Oとの統合計画の発表後初めて、統合後の株式価値を明らかにしたことで、オーケーではなくH2Oを“縁談”相手に選んだ具体的な根拠を示したようにも見える。
この点について、ダイヤモンド編集部のインタビューに応じたオーケーの二宮涼太郎社長は、H2O案に真っ向から反論した。
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