スーパー耐久シリーズの公式テストが10日、富士スピードウェイで開催され、第2戦富士24時間レースに向けて昼夜の走行が行われた。日産・NISMOが走らせる新型『Z』(日本名:フェアレディZ)の登場もあり注目をあびた。
スーパー耐久では昨シーズンからST-Qクラスが新設された。このクラスは、他のクラスでは規定に該当せず参戦できない車両で、スーパー耐久機構「STO」が認めた開発車両が参戦クラスとなっている。
主な参戦車両としては水素で走ると話題になっているいわゆる水素『カローラスポーツ』。カーボンニュートラル燃料を使用したトヨタ『GR 86』とスバル『BRZ』。バイオディーゼルを使用するマツダの『マツダ2』。さらに自社製のブレーキやサスペンションを開発する目的でエンドレスがメルセデスAMG『GT4』で参戦している。昨年はトヨタ『GRスープラ』で走っていたこともあった。トヨタ・スバル・マツダが開発と研究を主な課題としてメーカー主体で参戦している。
そこに今回日産が発売する新型Zが登場した。日産・NISMOからST-Qクラスへのエントリーとなり合計7台のマシンが走行し、国内自動車メーカーが揃ってきた。
日産・NISMOが開発している新型Zは「さまざまななモータースポーツカテゴリーで活用を探り、実践データを得るために参戦する」と発表している通り、今後の可能性を探るための参戦で、NISMOからエントリーの230号車と、MaxRacingから244号車として出走した。230号車は 平手晃平/松田次生/ロニー・クインタレッリ/星野一樹/佐々木大樹。244号車は田中哲也/田中徹/三宅淳詞/高星明誠/安田裕信と豪華なドライバーラインナップで挑むとあり注目度も高い。
実際の走行はどちらの車両も1分48秒から50秒台で走行をしており、スープラGT4やメルセデスAMG GT4と遜色ないタイムで走行していた。230号車はチェック項目も多いようで途中から走行しないで各種のチェックなどが行われていたが、244号車は順調に周回をこなし夜間走行も行っていた。
トヨタGR86と水素カローラ、マツダ2は目立ったトラブルも見当たらず、チェックと走行を繰り返して周回をこなしていた。水素の充填も慣れた様子で落ち着いて行われていた。
一方のスバルBRZは、ボンネットが開発車によくある渦巻き模様のラッピングが貼られていた。ボンネットには多くのダクトが作られ、エンジンルーム内の熱を逃すのだろうとは想像できるが、「CD値の向上も狙っている」と本井監督は言う。さらに「現在は試作品ですが、24時間レースの本番までにはカーボン製のボンネットを作りたい。宇都宮にある航空部門で出た廃材のカーボンをリサイクルして作ることで、少しでもカーボンニュートラルに貢献するのと、スバルの自動車部門だけでなく航空部門とも連携してオールスバル体制で挑みたい。航空部門もすごく協力的ですごく盛り上がっている」と言う。
さらにドアもステッカーが剥がされているが、実はカーボン製に交換されたことで34kgの軽量化を実現している。しかし量産車の開発も目的のひとつであるため、パワーウインドウなどの装備は生かされたままとなっているのも見逃せない。
多くの自動車メーカーが参戦しているところで、モータースポーツに多大な影響を与えてきたホンダはいまのところ何も発表は無い。ST-2クラスに『シビックタイプR』で参戦しているホンダR&DチャレンジFK8は、メーカーの開発者なども参加しているが手弁当での自主参加、有志での活動となっている。昨シーズンから参戦数を増やしマシンのデータや解析、サーキットに対応する力など着実に戦闘力をあげてきている。
ST-2クラスは2401cc~3500ccまでの4輪駆動車、及び前輪駆動車、ライバルは長年参戦しているスバル『WRX STI』と三菱『ランサーエボリューションX』、さらにトヨタ『GRヤリス』という車両がひしめき合うなかで戦っている。昨年初参加の24時間ではエンジントラブルで長時間の修復をおこなったことで戦線離脱をしてしまったが、今年はリベンジを果たすのが目標だという。
自動車メーカーが多く参戦するENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook。とくに何が起きるか分からない24時間レース。6月3日予選、4~5日決勝の富士SUPER TEC 24時間レースはどのようなレースが行われるのか。
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